相模川の中洲を久し振りに歩きました。

雨が多かったせいか、中洲の畦道周りは雑草がいっぱいです。


中洲の上流側は田んぼも少なく、まさに雑草天国。


その雑草のほとんどが葛(クズ)。


大きな3枚の葉が特徴の葛は、蔓を伸ばしながら木々を覆いつくしています。

歩いていると、川沿いも一面、葛の葉で覆われています。


そして、川の向こうの山を見上げてみると……


山がスッポリ葛に覆われています。

その様子をアップしてみると、


緑のオバケたちがぞろぞろ……!

葛の蔓が木をすっぽり覆い尽くしていて、まるで『クズ・モンスター』が山を占領しているみたいです。

この葛の生命力、すごすぎませんか?


● 葛のことを調べてみたら・・・

葛は海外、特にアメリカなどでは「グリーンモンスター(緑の怪物)」などと呼ばれ、侵略的外来種として恐れられているそうです。

夏の成長期には驚くほど速く蔓を伸ばし、大きな葉を広げて他の植物に覆いかぶさります。

木々に絡みつきながら上へ上へと伸びていき、やがて木全体を覆ってしまうこともあります。

さらに、地中には栄養を蓄えた大きな根(塊根)があり、地上部分を刈り取っても、そこからまた新しい芽を出します。



なるほど……。
これでは、葛が「厄介な植物」と言われるのも分かる気がします。

ところが、そんな葛も日本では昔から、とても有効に利用されてきた植物のようです。



● 厄介者だけど、実はとても役に立つ葛

山を覆いつくしてしまうほどの葛ですが、日本では昔から「根・蔓・花・葉」などが利用されてきたようです。

上差し 根

和菓子などに使われる「葛粉」が作られます。
また、漢方薬として有名な「葛根湯」にも葛の根が使われています。
蔓からは繊維を取り出し、「葛布(くずふ)」という布も作られてきました。

上差し葛の花
夏から秋にかけて紫色の美しい花を咲かせます(秋の七草の一つ)。

乾燥させてお茶(葛花茶)にしたり、二日酔いの和らげに用いられたりします。


上差し 新芽・葉:
蔓の柔らかい先端は、天ぷらやおひたしにして山菜として食べることができます(ほのかに枝豆のような味がします)。また、家畜の非常に良質な飼料にもなります。
さらに、葛の柔らかい新芽や葉も、食用や家畜の飼料などに利用されてきたようです。


 

こうして調べてみると、今では「困った植物」という印象の葛ですが、昔の日本人にとっては、ずいぶん身近で役に立つ植物だったのですね。


 ところで、私が子供の頃には、こんな光景は見た記憶がありません。

なぜ葛が、こんなにも繁殖するようになったのでしょうか?

気になるので調べてみました。

 


? なぜ今、こんなに山を覆いつくしているの?

調べて見ると、こんなことが分かりました。


昔は、人々が山を管理し、牛や馬の餌にするために葛を刈ったり、葛布などに利用するために蔓を採ったり、葛粉を作るために根を掘ったりしていました。
人の暮らしの中で葛が利用されることで、自然と増えすぎるのを抑えていたのでしょう。

ところが、時代が変わり、里山や耕作放棄地などの管理が行われなくなると、葛にとっては伸び放題、広がり放題。
本来持っていた強い生命力を、思う存分発揮できる環境になってしまったようです。



昔はとても役に立っていた葛も、時代とともに人との関わり方が変わり、今では「厄介者」と呼ばれるようになったのですね。

葛を見ながら、
「どんな時代でも生き残っていくというのは、大変なことなんだな~」

などと、ちょっと大げさなことまで考えてしまいました。照れあせる



虫めがね 葛の葉に変わったものを発見

そんなことを考えながら歩いていると、今度は変わった葉を見つけました。


「珍しい葉だな!」
と思ったのですが、よく見ると、どうやら珍しい植物ではありません。
葛の葉が、穴だらけになっているのです。

さらに葉をよく見ると、小さな虫がいっぱいいました。


どうやら、この虫が葛の葉を食べているようです。


この虫は「クズクビボソハムシ」という葛を食害する小さな甲虫の仲間のようです。

あれだけ旺盛な生命力で、他の草木を覆いつくしてしまう葛にも、ちゃんと天敵がいるのですね。

山を覆いつくすほどの「クズ・モンスター」も、小さな虫には葉っぱを食べられてしまう……。

自然界は、なかなか面白いものですね。

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今回の中洲歩きでは、ただ雑草が多いなと思って歩いていただけでした。

ところが、よく見ると、その中には山を覆いつくすほどの葛があり、その葛にも昔から人との深い関わりがあり、さらにその葉を食べる小さな虫までいました。

一つの植物をきっかけに、昔の暮らしや自然の仕組みまで知ることができました。

歩いていると、ただ通り過ぎてしまいそうな景色の中にも、調べてみるといろいろな物語が隠れているものですね。

そんなことを感じた、今回の中洲散歩でした。

 

最後までお付き合い有難う御座いました。バイバイ