春宮と万治の石仏の続きです。
徳川最後の将軍に嫁ぐため、京から江戸を目指した和宮の通った中山道。
ここ下諏訪宿には一泊しているようだ。
歴史の残る中山道には、素敵な建物が点在していた。
その中の建物の入り口に、中山道下諏訪宿伏見屋邸 無料お休み処と書いてある。

ここは国の有形文化財。

ここは素通り予定だったが、前を歩いていたご夫婦につられ、中へ入って見た。
土間の上には、リボンで作られた金魚の形の吊るし飾りが綺麗。

部屋の中は昔懐かしい建物。

さ~と中を見て、反対側の出入り口から裏側へ出てみた。

外から建物を見た後は、もう一度中に入り、吊るし飾りが綺麗なので、撮影許可を確認して撮影。




絵手紙を撮影していたら、オジサンが声を掛けて下さった。
お茶でも飲んで行って下さいね!
先に入ったご夫婦は、
電車の時間があるので、失礼します!
と出て行ってしまった。
残された私達二人が迷っていると、流しにいたオバサン二人が、お茶と漬物を持って来てくれた。
折角用意してくれたのに、帰ってしまうのは申し訳ない。
遠慮なく上がり框に腰かけて頂きました。
それは、冷茶と美味しい漬物でした。
お茶を頂いていると、
声を掛けてくれたオジサンが、先客の20代一人旅の女性を呼び寄せて、一緒にこの建物のご案内をしましょう!と私達3人に説明をしてくれました。
お話からこの建物は、
元治元年の建築と推定される木造二階建ての旧商家。生糸商、呉服太物、洋物、飲料・煙草・畳表などの商売や、質屋を営む中村商店の屋号が伏見屋で、伏見屋邸と呼んでいます。中村家は武田信玄の諏訪統治の際、諏訪に移り住んだようです。復元修理し、街歩きを楽しむ観光客の休憩や住民の交流の場として開設。(諏訪WALKより)
全てお話を覚えられなかったので、諏訪WALKより拝借。
お話をしてくれているオジサンは、昭和11年生まれで、ボランティアでここの案内をしているそうだ。
とてもお元気です。
お話の後、家の中を案内してくれた。
古い柱時計

八角の柱時計は我が家にもあるな~
我が家のもかなり古いアメリカ製。
随分仕舞っぱなしだから動かないだろうな!
当時は古い!と思っていたが、こうして見ると素敵だ。
我が家の時計も埃を払って飾ってみようかな(笑)
時計の脇に絵の描かれた額みたいなものが4個吊ってある。

気になりお聞きすると、一個を外して見せてくれた。
なんとそれは提灯を仕舞っておく箱だった。

成る程、こうして閉まっていたんだね。
いろいろなお話をしていると、昔は諏訪湖が全部凍り、学校の運動などしていたそうだ。
最近は温かくなり、凍って出来る御神渡りも出来ることも少なくなったが、昔はスケートも楽しんだようだ。
そんな話になった時、
戸棚を開けて出して見せてくれたのがこちら

下駄スキーだ。当然これは当時の物。
私も親父に聞いたことはあるが、見るの初めての下駄スキー。
奥の部屋へ行って見ると、また部屋の造りが凄かった。
広い床の間と違いだなのある部屋。

違い棚の襖の絵も昔の物のようだ。

左の書院欄間の彫りの飾りが凄い!


銘があった。
立川富種作とある。

立川富種とは、立川流二代目富昌の二男とあった。
この立川流がまた凄い。
ご紹介すると長くなるので詳しくはこちらをご覧ください。
↓
簡単にお話すると、この立川流は諏訪大社下社秋宮を作った宮大工。
諏訪立川流で調べると色々な事がヒットする。
日本でも名の通った宮大工のようだ。
その二代目の二男が彫った物と言う事。
お金が無くては頼めなかったでしょうね。
傍にはこんな新聞も掲載してあった。
今年1月4日付の信濃毎日新聞。

長押には、有形文化財登録証が掛けてある。

この建物の他に、土蔵が二つ有形文化財のようだ。
窓からそのうちの一つの土蔵が見えた。

この建物は2階もある。
見せて頂きました。
我が家の昔の家も2階があったが板張り。
しかし、この建物は畳が敷いてある。
さらに床の間まであったのにはビックリです。

そしてこんなに広い。

その広間には、沢山の写真。
その写真を見て更にビックリ。明治以前の写真のようだ。
そのうちの何枚かをご紹介。






当時、この写真を撮っていたこともビックリ。
お陰で当時の風景や人々の姿が分かる。
部屋の隅に初期中山道の案内があった。

この地図を見ると、最初の中山道は三沢峠を通っていたようだ。
皇女和宮はどちらを通ったのだろうか?
歴史は奥が深いですね。
昔の商売の看板なのだろうか?
古いものが吊るしてあった。

部屋の隅に小さい屏風。

この屏風は、絵も表装も、案内してくれたオジサンの作品だそうだ。
とっても素敵でした。
予定外にユックリお邪魔してしまいました。
オジサンにお礼を申し上げお別れです。
入口で、記念写真をお願いしました。

素敵な建物でした。
次の時代にも残したい、大切な遺産ですね。

帰り道にはお花がいっぱい。


道沿いにまた神社が有りました。
御作田社

説明書き

石の門には、片倉組と書いてある。
片倉組と言えば、
岡谷にある三峯公園を造ったり、諏訪湖畔にある古い建物の温泉「片倉館」は社員のための物。さらに、一時期富岡製糸場を運営していた大会社だ。
諏訪湖周辺を歩くと片倉組に出会うことが多い。新ためて、片倉組の偉大さが分かる。
この辺りは、街角のあちこちに温泉が出て入るが、ここにも有りました。

さらに進むと道沿いに蔵

そこには、七曜星社蔵
「製糸業の展示館」と書いてある。
生糸の街ですね。
先ほどの建物も片倉組もそうだが、諏訪のお金持ちの人は、何かしら製糸業に関係していたのかもしれない。
道沿いは蔵の裏側。表に回ってみた。

中の様子。

中にも入ることができるが外から拝見。
かなり時間も過ぎました。
お腹も空いているので車に戻ります。
また道沿いに水が流れて居る。
この水も温泉だ。

またまた温泉がありました。
担過の湯

街の湯にも歴史がありそうだ。
下諏訪には本当に温泉が多いですね!
そして料金は大人230円。その安さにもビックリ。
温泉の先には格子の綺麗な建物。

その脇にはオシャレな水道から流れ出る温泉。

下社秋宮の手前にある本陣岩波家。

この建物も中庭も素敵だが、こちらは以前拝見したので今日はパス。
まだの方は是非お勧めの所です。
歴史と温泉が溢れる中山道散策でした。
お腹がすっかり空っぽ。
下社秋宮の前のお蕎麦屋さん「そば処みやさか」でお蕎麦を頂きました。
お腹が空いていたのでうっかり写真を撮るのを忘れてしまった。
自家栽培の蕎麦を使用で太めの蕎麦で美味しかった。

お腹も満足したが、涼しいとはいえ、歩いて足も疲れたし汗もかいた。
秋宮の直ぐ傍の「児湯」で温泉を楽しみました。

ここは、地元の方が殆どの温泉。
時間も昼過ぎなのでユックリ楽しめました。
とっても温まる温泉でした。
お風呂上がりのコーヒー牛乳が最高!
今日はお参りだけの予定だったのに、時計を見ると4時間も過ぎていた。
由緒ある神社やお寺、そして古い街並みと、
本当に諏訪は素敵な街ですね。
また諏訪の歴史に触れに来るとしょう。
諏訪大社秋宮から歴史ある中山道の街並み探訪に、
最後までお付き合い有難うございました。
