「あれ!あの猫!」

幼なじみが窓から見える裏山を指差した。
窓際へ駆け寄り指の先を見る。
白く大きな毛の固まり、似ている…しかし少々離れている為確信がもてない。

「ミルさん!」

呼ぶと耳だけをこちらに向ける。

「ミル!」
「ミルさん!」
「ウィルソン!」

更に呼ぶと、おもむろにこちらへ顔を向ける…間違いない、あの人相の悪さ、ミルさんだ…!

「あれミルだよ!」

それをきいた幼なじみは、少しの沈黙の後、静かに言った。

「…ミルさんの事、弓矢で射ったんだよね」

…まじでか!

少しの間の後、爆笑である、今時弓矢!?

詳しくきくと、昨年亡くなったおじいさんが、竹刀と破魔矢を使い作製した弓矢で、自身が射るも外れ、孫に射る様命じたらしい。

何事も無かったからこそ笑えるものの、万が一当たっていたら…

ウィルソンの悲劇/後編 終