憧れのペドロさんより

オファーをいただき

妄想旅行記を書いてみましたイエローハート

 

 

ご興味のある方、

お付き合いいただけると幸いですにっこり

 

 

水を潤沢に含んだ風を頬に受け

クミ子は異国の地へ来たことを実感する。

 

 

羽田からクアラルンプールを経て

13時間に及ぶフライト。

疲労感はあるものの気分は晴れやかだ。

 

 

クアラルンプールまでの機内。

クミ子は無性に苛ついていた。

 

 

「いい加減地元に帰って来なさい」

という両親の言葉がクミ子の心を

ざわつかせていたのだ。

 

 

今回の同行者、

メグこと水地メグミとは

経由地のクアラルンプールで合流した。

関西住まいのメグとは

数年に一度旅をする仲だ。

 

 

 

合流後、機内で近況を語り合ううちに

クミ子の心は次第に穏やかになっていった。

 

 

午前9時40分。

最終目的地であるスリランカの

バンダラナイケ空港に到着した。

 

空港からはUberを利用し市街地へ。

両替とランチのため一旦降車し

ATMへ向かった際、事件は起きた。

 

 

「やばい!カードが出てこない!」

ATM両替していたメグが声を上げる。

どうやらカードが戻らなくなったようだ。

 

 

2人がかりで機械を操作するものの

カードが出てくる気配はない。

ATMに書いてあった問い合わせ先に

電話をかけるが、電話口に出たスタッフに

英語が全く伝わらない。

 

 

そんな中

「あの、もしかしてトラブルですか?」

と細身の日本人男性が声をかけてきた。

 

 

事情を伝えると

男性は問い合わせ先に電話をかけ、

5分程でカードが手元に戻ってきた。

 

 

半泣きになっていたメグがお礼を

伝えると男性は

「大したことはしていません。

急ぐので、私はこれで」

と足早に去って行った。

 

 

「…幸先の悪いスタートだね」と

クミが呟くと、

 

 

「え?西島秀俊似のイケメンに

トラブルを助けてもらえるなんて、

寧ろ幸先いいって」とメグは微笑む。

 

 

友人の呑気さに呆れつつ

スリランカ旅はスタートした。

 

 

続く