そこには、いた

行き先を失った迷い人が



自らの辿り着くべき場所を失った数え切れない程のモノ達


そう

彼らは、“温もりを求める寂しがりや”







そしてまた

同じ場所に、いた

彼らの行く手を示す一筋の光が



自らを照らしさまよえるモノたちの道しるべとなる


不安げに

そのモノを通り過ぎてゆく“寂しがりや”

強がろうと

いとおしい程のそのモノに目もくれず、そしてさりゆく“寂しがりや”



そう


そのモノは“寂しがりやのよりどころ”










“寂しがりや”は想う


『きみがいてよかった』

『きみがいなければ、ぼくはいなかった』

『きみに、ありがとう』



と。



“寂しがりや”は今日もゆく

しんしん、はらはらと



時に“よりどころ”を求め

強く、儚く






あぁ
今日の月は綺麗だ