「刑事さん、、こんな世話になっちまって」
一人の男が、マズル刑事の手を握って泣いた。
「たまたまの縁ですよ」
「俺はね、、馬鹿だったんだ。
立ち退きを迫られて、それを口利きしてくれた
政治家さんに、頼まれて、、なんてことを」
「越前さんは、騙されたんですよ。
その立ち退き迫ってた業者と
立ち退かなくていいように、
話をまとめた政治家はグルだったんだ」
「それにしてもだ、、饅頭の箱に
現金を詰めるなんて、、俺は、、」
「越前さんは、昔から
誰にも負けない羊羹を作ってたって
俺の師匠が言ってました」
「涙、、うう、、
その、刑事さんの師匠が、
うちの羊羹を店で売ってくれて、、
もう、誰にも
相手にされなくなった俺の羊羹を
美味いからって
常連さんに勧めてくれてる。」
「越前さんの、羊羹が、
美味しいからですよ、
親父さんが言ってましたよ、
俺は、饅頭は自信があるけど、
羊羹は越前さんとこにかなわないから、
「ううう、、俺は、足を向けて
寝れねえ。刑事さんと、あの饅頭屋さんには」
「人間、過ちは誰にでもありますよ。
次から、間違えなきゃ、いいことです」
「なんにもできないけど、
執行猶予にしてもらったから、
羊羹を署の皆さんに食べてもらおうと
持ってきたんです」
「おおおおおお!!噂の羊羹だ」
「店はたたんじまったけど、
いつかまた自分の店が持てるように
地道に羊羹を作り続けるます。」
「騙す人も悪いし、
騙される人も悪い、っていうけど、
俺は、騙す人が悪いって思ってます」
その夜マズル刑事は1本の映画を見た。
自分が交通事故で意識不明になっている間に
自分になりすます男のお話。
「騙す人が悪い、、騙される人は
悪くない、、」
マズル刑事の手が怒りで震えた。
あんないい人を騙すなんて!!
映画を見ながら、また思い出して、
プンプン。
プンプンしながら、また和菓子屋の
親父さんとおかみさんに会いたくなった。
あれから、会ってない、、
世間から見放された、あの男の羊羹を
見せて扱ってあげるなんて、、
さすが、親父さんだ、、
今週、また和菓子屋に行こう、、
思ったマズル刑事だった。
この「和菓子屋さん」のお話は
続きものでした。
初めて来た方は、こちらから!
http://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryupdateinput.do?id=12291685160
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