ブログ担当のシバの母さんです。
私の住んでいる街は、
スイスロマンドと呼ばれるフランス語圏。
スイスでは移民や難民に無料、
あるいは安価で
その州の言語を学べるコースを
提供しているところがあり、
私の住む州では
赤十字がそれを行っています。
かく言う私も数年間お世話になり、
フランス語の勉強だけでなく、
かけがえのない友人とも
知り合う事が出来ました。
そのお返しと言ってはなんですが、
赤十字が募集していた
独居老人宅への週一回
訪問ボランティアを
始めて数年になります。
私がお邪魔するのは、
96歳のイレーヌ（仮名）宅。
毎週水曜日の
午後2時から4時まで、
おしゃべりや
散歩にお付き合いします。
天気が良い日には必ず、
歩いて5～20分のカフェに行くのですが、
今回の話はそこでの出来事。
いつものように
カフェでおしゃべりをしていると、
隣のテーブルの男性がイレーヌに、
「なかなか良い車、持っていますね。
」
と話しかけてきました。
私が一瞬ポカン
としていると、
すかさずイレーヌは、
「そう、フェラーリだもの。
」と即答。
もうこの年齢だからと
白内障の手術は受けず、
耳も片方は聞こえず、
出掛ける時のお供は
シルバーカーのイレーヌ。
そのシルバーカーを
良い車だと言った男性のジョークに、
彼女はジョークで返したのでした。
一昨年まで
イレーヌが住んでいたのは、
うちより広い3LDK。
亡くなったご主人と、
2人の娘さんと暮らしていた
アパルトモンの2階に、
一人になっても住み続けていました。
そして、その建物のリフォームで
家賃が上がり
空きが出たとかで、
彼女が移った先が最上階の 1LDK。
「ここは最後の住処で、
しかもとても実用的なの。
何故か分かる
ほら、前より天国に近くなったでしょ。」
楽しそうにイレーヌが言うと、
そんな言葉さえ
深刻に聞こえないから不思議です。
フランス語の勉強にもなるし、
少しは人の手助けも
出来るかと思って始めたつもりでしたが、
イレーヌの話は面白く話題も豊富。
ボランティアの気持ちはとうになく、
憧れのおばあちゃんで
大切な友人になっています。
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