2026年2月中旬、AI業界は相変わらず目まぐるしい進化を続けています。今週は特に大きなニュースが相次ぎました。ディズニーがOpenAIの動画生成AI「Sora」にキャラクターを提供したというビッグニュースから、ChatGPTでAdobeアプリが無料で使えるようになる革新的な機能まで、AIの可能性がさらに広がる発表が目白押しです。
本記事では、今週リリースされた最新AIツールとニュース、特に無料で使えるものを中心に詳しく解説します。デザイナー、エンジニア、ビジネスパーソン、そしてAI初心者まで、すべての方に役立つ情報をまとめました。
1. ディズニーがSoraにキャラクターを提供:夢の動画生成が現実に
今週最大のニュースは、ディズニーがOpenAIの動画生成AI「Sora」に公式キャラクターを提供したという発表です。これにより、ユーザーは以下のような人気キャラクターを使った動画を生成できるようになりました。
利用可能なキャラクター
ディズニー作品:
- ミッキーマウス
- アナと雪の女王
- モンスターズ・インク
- トイ・ストーリー
スター・ウォーズ:
- ダースベイダー
- ハン・ソロ
マーベル作品:
- アイアンマン
- その他マーベルキャラクター
これが意味すること
従来、著作権の問題から有名キャラクターを使った動画生成は事実上不可能でした。しかし、ディズニーとOpenAIの公式提携により、合法的にこれらのキャラクターを使った創作が可能になったのです。
個人のクリエイターがミッキーマウスと一緒に冒険する動画を作ったり、アイアンマンが自分のオリジナルストーリーに登場する動画を制作したりできるようになります。これはコンテンツ制作の民主化における大きな一歩です。
商用利用の可能性
現時点では個人利用に限られる可能性が高いですが、将来的には企業のマーケティング動画や教育コンテンツなどでも活用できるようになる可能性があります。ディズニーキャラクターの力を借りた動画広告やプロモーション映像の制作が、より身近になるかもしれません。
2. OpenAI「GPT-5.2」正式発表:AI競争の新たな局面
OpenAIは最新のAIモデル「GPT-5.2」を正式に発表しました。これは先日Googleが発表した「Gemini 3 Pro」に対する事実上の対抗モデルとなります。
GPT-5.2の特徴
- 論理的推論能力の大幅向上:複雑な問題解決能力がさらに強化
- 実用面での性能改善:スプレッドシート作成、プレゼン資料構成、コーディングなどの実務作業で高い性能を発揮
- ベンチマークでの優位性:主要なAIベンチマークでGemini 3 Proを上回るスコアを記録
ChatGPT全ユーザーに展開
GPT-5.2はChatGPTの全ユーザーに展開される予定です。無料ユーザーでもアクセスできる可能性が示唆されており、最新のAI技術がより多くの人々の手に届くことになります。
詳細については前回の記事でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
3. ChatGPTでAdobeアプリが無料利用可能に:クリエイティブ作業が変わる
今週、OpenAIはChatGPT内でAdobeアプリを利用できる新機能を発表しました。これにより、ChatGPTから直接以下のAdobeアプリケーションにアクセスできるようになります。
利用可能なAdobeアプリ
- Photoshop:画像編集・加工
- Acrobat:PDF作成・編集
- Adobe Express:グラフィックデザイン作成
革新的なポイント
この統合により、ユーザーは以下のようなワークフローが可能になります:
- ChatGPTに「プレゼン用の画像を作って」と依頼
- ChatGPTがAdobe Expressを自動起動し、デザインを生成
- 必要に応じてPhotoshopで細かい編集を実施
- 完成した資料をAcrobatでPDF化
すべてがChatGPTのインターフェース内で完結するため、複数のアプリケーションを行き来する手間が大幅に削減されます。
料金について
動画では「無料で使える」と紹介されていますが、ChatGPTの有料プラン(Plus、Team、Enterpriseなど)が必要になる可能性もあります。詳細は公式発表を待つ必要がありますが、少なくとも高額なAdobe Creative Cloudのサブスクリプションなしで、これらのツールにアクセスできるようになることは確実です。
4. Lovartに画像内文字編集機能が実装:デザイン作業がさらに効率化
デザインAIエージェント「Lovart」に、画像内の文字を直接編集できる機能が新たに実装されました。
機能の詳細
従来、画像内のテキストを変更するには:
- 画像編集ソフトで元のテキストを消去
- 新しいテキストを配置
- フォント、色、サイズを調整
というステップが必要でした。
しかしLovartの新機能では:
- AIが画像内のテキストを自動認識
- ユーザーが新しいテキストを指定するだけ
- AIが自動的に同じフォント、色、サイズで置き換え
活用シーン
- ポスターやチラシのテキスト修正
- SNS投稿用画像の多言語展開
- 既存デザインの再利用と最適化
- A/Bテスト用の複数バージョン作成
デザイン作業の効率化において、非常に実用的な機能と言えます。
5. Stitchが大規模アップデート:AIツールの進化が止まらない
AIツール「Stitch」が大規模なアップデートを実施しました。Stitchは複数のAI機能を統合したプラットフォームで、今回のアップデートにより、さらに使いやすく高機能になったとされています。
具体的な新機能の詳細は動画内で触れられていますが、ワークフロー自動化やAIエージェント機能の強化が含まれている可能性が高いです。
6. 日本語音声合成モデル「Paratts」登場:高品質な日本語音声生成
日本語特化型の高機能音声合成モデル「Paratts(パラッツ)」が登場しました。
主な特徴
- 日本語に特化:日本語の発音、イントネーション、アクセントを自然に再現
- 高品質な音声:人間に近い自然な話し方を実現
- 多様な声質:複数の声質やトーンから選択可能
活用可能な分野
- 動画コンテンツのナレーション:YouTube動画、解説動画など
- オーディオブック制作:書籍の音声化
- eラーニング教材:教育コンテンツの音声ガイド
- アクセシビリティ向上:視覚障害者向けのコンテンツ音声化
日本語に特化したモデルとして、今後のコンテンツ制作において重要な役割を果たすことが期待されます。
7. その他の注目AIツール&ニュース
ノーコードアプリ構築AI「Orchids」
プログラミング知識なしでアプリケーションを構築できるAIツール「Orchids」が発表されました。自然言語でアプリの要件を伝えるだけで、AIが自動的にアプリを構築してくれます。
NotebookLMモバイルアプリのアップデート
Googleの人気AIツール「NotebookLM」のモバイルアプリがアップデートされました。外出先でもAIによる情報整理やポッドキャスト生成機能を利用できるようになり、より便利になりました。
Gemini 2.5 Pro TTS Preview
Googleの最新テキスト読み上げAI「Gemini 2.5 Pro TTS Preview」が公開されました。高品質で自然な音声生成が可能で、多言語対応も強化されています。
コーディング特化AI「Devstral 2」
プログラミングに特化したAIモデル「Devstral 2」が登場しました。コード生成、バグ修正、最適化提案などの精度が大幅に向上しており、開発者の強力なパートナーになることが期待されます。
Meituanの画像生成AI「LongCat-Image」
中国のMeituan社が開発した画像生成AIモデル「LongCat-Image」が発表されました。高品質な画像生成が可能で、アジア市場での競争がさらに激化しそうです。
音声会話モデル「Qwen3-Omni-Flash」最新版
リアルタイム音声会話が可能なAIモデル「Qwen3-Omni-Flash」の最新版がリリースされました。応答速度と自然な会話能力がさらに向上しています。
8. 業界を揺るがす大型ニュース
Googleが2026年にAIグラスをリリース予定
Googleが2026年にAIを搭載したスマートグラスをリリースする計画を発表しました。これは、日常生活にAIをシームレスに統合する次世代デバイスとして注目されています。
トランプ大統領がNVIDIA「H200」の対中輸出を承認
トランプ大統領がNVIDIAの最新半導体「H200」の対中輸出を承認しました。これはAI半導体の国際競争において重要な政策転換となる可能性があります。
MetaがAIモデル「Avocado」を開発中
Meta(旧Facebook)が新しいAIモデル「Avocado(アボカド)」を開発中であることが明らかになりました。詳細はまだ不明ですが、次世代のマルチモーダルAIになる可能性が高いです。
OpenAIがSlackのCEOを引き抜き
OpenAIがSlackのCEOを法人向け事業の幹部として引き抜いたことが報じられました。これは、OpenAIが企業向けビジネスを強化する姿勢を明確に示しています。
DeepSeekがNVIDIAの最新半導体で次期モデル開発
中国のAI企業DeepSeekが、NVIDIAの最新半導体を使用して次期AIモデルを開発していることが明らかになりました。中国のAI技術力の向上を示す動きです。
AnthropicがMCPをAgentic AI Foundationに引き継ぎ
Anthropic社が開発していたMCP(Model Context Protocol)が、新たに設立された「Agentic AI Foundation」に引き継がれました。これにより、AIエージェント技術の標準化が進む可能性があります。
MetaがLimitlessを買収
Metaが生産性向上AIツール「Limitless」を買収しました。Metaのビジネス向けAI製品ラインナップがさらに強化されます。
9. 受賞・表彰・政策ニュース
Appleが2025年App Store Awardsを発表
Appleが2025年のApp Store Awardsの受賞作品を発表しました。AI関連アプリが多数受賞しており、モバイルアプリ分野でもAIの存在感が増しています。
タイムがAI経営者を「今年の人」に選出
TIME誌が2025年の「今年の人」にAI業界の経営者を選出しました。これは、AI技術が社会に与える影響の大きさを象徴する出来事です。
AIなど重要6分野の研究開発投資に法人税減税
日本政府が、AIを含む重要6分野の研究開発投資に対して法人税減税を実施する方針を発表しました。これにより、日本企業のAI研究開発が加速することが期待されます。
ChatGPTのアダルトモードが2026年に解禁予定
OpenAIが、2026年にChatGPTのアダルトモードを解禁する予定であることが報じられました。倫理的な議論を呼びそうなニュースですが、AI技術の応用範囲がさらに広がることを示しています。
まとめ:AI時代は加速し続ける
今週のAIニュースをまとめると、以下のポイントが浮かび上がります:
- コンテンツ制作の民主化:ディズニー×Sora、Adobe×ChatGPTなど、プロ級のツールが身近に
- 日本語対応の強化:Parattsなど、日本ユーザー向けの高品質AIが増加
- 企業間競争の激化:OpenAI、Google、Meta、Anthropicなど、各社の開発競争が白熱
- ハードウェアの進化:AIグラス、最新半導体など、次世代デバイスへの展開
- 政策的支援:各国政府がAI研究開発を後押し
AI技術は日々進化し、私たちの生活とビジネスに革新をもたらし続けています。今後も最新情報をキャッチアップし、これらのツールを積極的に活用していくことが、時代の波に乗るカギとなるでしょう。
図解解説

