台風はそれるにこしたことはない | フルカワJAZZ道場

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今年は台風がもう何度かやってきましたが、
最近のは被害が大きいようです。
直撃でなくても、道路は雨水があふれて、
まるで川の浅瀬を渡っているぐらいの水位!
いまだに台風発生というニュースを聞くと、
ハラハラしますね。
今回は「嵐を呼ぶ音」です。

 

「エアジン」

メイナード・ファーガソン
”ニュー・ヴィンテージ”より  
原曲はソニー・ロリンズの曲ですが、こちらの方を先に聞いたのでインパクトが強く残っています。おそらくこれ以上ないというほど速いテンポで演奏しています。
メイナード・ファーガソンのハイ・ノート・トランペット(基音のドのから3オクターブ以上の高い音がでるであろう)を中心に、彼のオーケストラが嵐をまきおこすような演奏を繰り広げます。
曲調から砂嵐か竜巻のようなイメージを持っていたのですが、AIREGINを辞書で引いてみてもありません。それにAIRの後の”E”が気になる。
最初は造語かなとも思ったのですが、いろいろ調べてみたら、どうも”NIGERIA”(ナイジェリア)を逆さまに読んだものと分かりました。言葉遊びだったんですね。
メイナード・ファーガソンは「ロッキーのテーマ」や「スタートレックのテーマ、最近では「ブラスト!」のコマーシャルで使っている曲などで有名で、ファーガソンをはじめ高音域の出るトランペット・セクションのハーモニーが売りです。オーケストラ自体が爆発するような瞬発力のある演奏なのでぜひ一度聞いてみてください。

 



 

「アイ・オブ・ザ・ハリケーン」

V・S・O・P
”ニュー・ポートの追想”より  
お酒のような名前ですが、こちらはベリ・スペシャル・ワン・パターンではなくて、ベリ・スペシャル・ワンタイム・パフォーマンスです。
1976年ニュー・ポート・ジャズ・フェスティバルのハービー・ハンコ
ックの演奏活動ふりかえる企画の一つで、マイルス・デイヴィス・バンドの卒業生のハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ロン・カーター、トニー・ウイリアムスが、リーダーのマイルスとの再会コンサートを計画していたのですが、マイルスが演奏活動の休業に入っていたため、急遽マイルスの代わりにフレディー・ハバートを参加させて結成されたバンドです。
”マイルス抜きのマイルス・バンド”と絶賛されました。最初は言葉どおり”一度限りの特別興行”のつもりだったのですが、大反響となり、一定期間継続されて日本にもコンサートにやってきました。その時のライブは何枚か発売されていて、一つ一つがもはや伝説になっています。
曲自体難しいリズムの、台風のようにクルクルと進路の変わるめまぐ
るしいメロディーです。まるで兄弟のように息の合ったプレイを披露します。ライブなので、曲間にメンバー紹介をするときのくつろいだ雰囲気が楽しい2枚組のアルバムです。

 

 

「ストーミー・ウェザー(荒れ模様)」

リナ・ホーン
”ストーミー・ウェザー”より  
1933年”コットン・クラブ”に出演するキャブ・キャロウェイのために詞:テッド・ケーラー、曲:ハロルド・アーレンにより作られた曲です。その時はエセル・ウォーターズが唄いヒットしました。
1943年同題名の黒人オール・キャストの映画「ストーミー・ウェザー」が公開され、その映画で主演を勤めたリナ・ホーンが唄い、それ以来彼女の持ち歌となりました。
リナ・ホーンは1917年生まれ。映画やミュージカル、クラブなどに多く出演し、ニューヨークやラスベガスで活動して、ラスベガスの女王とも呼ばれました。
紹介している曲は女性ヴォーカル・シリーズのサンプリング盤「Sing!」(2枚組)の中一曲です。最近同シリーズは再発されました。録音音源が古いのか、かなりノイズが入っていますが、デジタルのおかげか歌声はクリアです。
危険な物をはらんだ不穏なイントロから一転、明るい声の情感をたたえたスロー・バラードが登場します。オールド・タイムな雰囲気の歌唱とジャケットがおススメです。

不謹慎なようですが、台風の過ぎた次の日の朝は、
空気がすがすがしいような気がします。
いろんな物が落ちていて、
漁港から魚を入れる発砲スチロールの箱や木箱が
飛んできたときは驚きました。