日本人の好きなさくらJ-POPでは毎年のように「さくら」という 題名の曲がヒットしています。それは 日本人の心の原風景に響く言葉だから でしょう。ジャズの方ではあまり多くあり ませんが、”さくら”または”さくらんぼ” に、ちなんだ曲を紹介します。 「チェリー」 ダラー・ブランド ノー・ブランド・ジャズ・シリーズ1 レッツ・グルーブより このアルバムはアシッド・ジャズが流行出した頃にでたオムニバス盤です。 いきなりけたたましい始まり方の曲ですが、そのメロディーが何度も繰り返されるうち心地よく思えてきます。ノリのよいよくスイングしたピアノに魅了されていきます。 ダラー・ブランドのピアノは歌を唄うというより、アフリカの悠久の歴史のごとく、いろいろな文明を見守ってきたナイルの蕩々とした流れのごとくメロディーが切れ間なくつながれて いきます。この曲はダラー・ブランドの十八番ともいえる曲なので他のアルバムでもたびたび取り上げられていますが、他のものは長く物語を語っているような演奏です。このアルバム ではあきらかにアドリブで唄っており、短く簡潔にまとめられて他に比べ完成度が高いと思います。 「チェリー」 スタンリー・タレンタイン ザ・ベスト・オブ・スタンリー・タレンタインより およそブルースの権化のようにテナー・サックスを吹きまくるスタンリー・タレンタインが、 この曲だけは脇に回った感じがあります。ヴィブラホーンのミルト・ジャクソンがフューチャーされているので、敬意を払っているのでしょうか。しっとりと落ち着いたバラードで、 まるでバー・ラウンジの窓から満開の夜桜を見ながらウィスキーかカクテルをかたむけているようなそんな雰囲気の曲です。ヴィブラホーンの音のせいかなぜか昼間というより夜のムードをを感じさせますね。 「チェリー・ポイント」 カウント・ベイシー ライブ・アット・ラスヴェガスより カウント・ベイシー率いる安定したリズム・ セクションに乗っかるようにハーマン・ミュートのトランペットのアドリブが始まります。その後にブラス・セクションのアンサンブルが続きますが、トランペットとトロンボーンのメロディと同じフレーズをサックス・セクションが追っかけるように何度も繰り返します。そこには大勢の人が騒いでいるような面白さがあります。アメリカでは花見で宴会という習慣はないでしょうが、ワイワイガヤガヤ満開の桜の 下でたくさんの人が見物をしている光景が浮かびます。 この曲はスタジオで録音される曲というより、ライブで演目に入る曲のようで、他にも「ニュー・イヤー・アット・バードランド」(1953年1月)にも収録されています。 陽気も少しずつ良くなってきて、花見には、 多くの人がつめかけるのでしょうね。 あなたは昼間の桜と夜桜のどちらが好きですか?