またどなたかの旅行記が読みたいなと探していた。
できれば、作家さんの顔やら活躍を多少は知っている方が面白い。
(なので友人の旅行記はすこぶる楽しい)
で、小説家 角田光代さんの本にしようと思った。
角田さんはエッセイでも書いているように旅好きな作家さん。
どんな国にも単身ずんずん旅をしているイメージなので、
まだ読んでいない旅行記があるはずと探してみる。
あしたはアルプスを歩こう (講談社文庫)/講談社

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を読む。
旅は人との出会いだと誰かが言っていた、ような気がする。
この本を読んで深く頷いた。
頷いた部分を少々抜粋。
“こわいということと危ないは違う。そんなこと、考えたこともなかったが、たしかにそうである”
これから歩く道がこわくないかと尋ねた際のガイドをしてくれた男性からの言葉に、
なんて本質的なことを言うのだろうと作者が驚く場面。
私もアルプスならぬ自宅の居間で驚いた。
本当だ。
そして、少なくない場面で、危ないこと以上に怖いということに怯えがちな気がする。
“自分の選択が正しいと主張するために、べつのものを非難することを彼らは決してせず、
すべての方法を受け入れた上で、
けれど自分たちが好きなのはこれだとシンプルに提示する。”
大自然の中で暮らし、自給自足で生きる夫婦のあり方に対しての作者の言葉。
私も大自然の中ならぬ自宅の台所でため息をもらした。
あぁ、こうありたい。
角田さんも書いていたけれど、日本の日常の中でだったらば、言葉はこうも響かなかったかもしれないし、
想いもそんなふうには至らず立ち止まらなかったかもしれない。
三浦しをんさんのあとがきによると、これらの文章は、山歩き(トレッキング)を行ったそのほぼリアルタイムで書かれているのだそう。
三浦さん曰く、“胆力と精神の反射速度がすごい”
角田光代さんの反射速度のお陰で、自宅にいながら旅の中でのみ見つけられる大切な人と言葉に出会わせてもらった。
そんな作品でした。













