いきはよいよい
かえりは、怖くはなかったけれど大変だった。
台風17号は、日曜日の夕方頃、愛知県の東部に上陸した。
東海道新幹線のもちろん通り道。
そして今まさにそこへ向かおうとしていた私の乗ったのぞみ51号は、掛川を過ぎた辺りでピタと止まってしまったのだ。
浜松~三河安城が強風と豪雨で通過できなくなっていた。
車内の私からは暗くてあまり外の様子はわからなかった。
けれど、じっと止まった新幹線すら、煽られるように横揺れを繰り返す。
風が本当に強い。
私が東京を移動していた頃、昼間とは打って変わり、空はどんより風が出てきていた。
海沿いを行く列車や路線には運休が出始めており、大きな駅では、電光掲示板を見上げる人の姿があちらこちらに見られた。
新幹線が止まったら大変と、私は早足に品川を目指す。
その新幹線がじっと止まってしまった。
とはいえ、車内は安全なので、取り敢えずお弁当を食べる。
お店で絵本を買ってきていたので、ゆっくり眺める。
一冊は「やまねこのおはなし」きくちちきさんの絵。
二冊目は「オオカミがとぶひ」ミロコマチコさんの作品。
この二冊ともに、お話ももちろんだけれど、絵がすごい。
何かを表現する時に"すごい"だけは使わないようにと思っていたのについ使ってしまった。
というくらいがつんと来るのです。
二冊目の「オオカミ…」は冒頭、
ーきょうはかぜがつよい。
びゅうびゅうびょうびょうふきぬける。
だってオオカミがかけまわっているから。ー
そうかこれはオオカミの足音かと一人喜ぶ。
メールをして近況を知らせたり、今日のお礼をしたりする。
寝る。
起きて本を読む。
「大好きな本川上弘美書評集」
そんなこんなでようやくえっちらおっちらと走り出す新幹線。
定速にはなかなかならず、結果2時間45分の遅延で目的地に到着。
お尻がゴワゴワになっていたけれど、どうやら特急料金が返金されるそう。
安全だったし、お腹も膨れたし、まぁいいか。