「悼む人」を読んだ。
直木賞受賞作。
読みたいと思う本ではなかった。
読んだら、
掻き乱されそうな気がして敬遠した。
そういう作品はあまり読まない。
何日も引きずってしまうのが少し怖いから。
夫が読んだ本の中からどれか借りようとして見つけた時、読んでみようと思えた。
掻き乱されはしなかった。
でも、ずしりと来た。
これが書かれたのは2006年から2008年。
構想は、アメリカ同時多発テロの影響を受けているようだった。
けれど、2012年の今、昨年の震災を思わずには読めなかった。
そして、今も続くシリアでの戦闘。
同時に、知り得ないたくさんの悼み。
ニュースから流れてくるたくさんの訃報を、ただの数や記号のように聞いてしまいがちな世の中に、
人との距離の無機質さに寂しさと諦めを感じている世の中に、
悼む人とはと問うことは、不必要なことでは無いはずだ。