1961年~1962年まで「トムとジェリー」を当時のチェコスロバキアで製作した
ジーン・ダイチ作品を紹介しています、今回は13作品あるうちの
8番目に公開された「白いくじら」を紹介します
「白いくじら」はハーマン・メルヴィル(1819~1891)原作の「白鯨」(Moby-Dick)1851年
をベースにしています、ここでは原題は「Dicky Moe」ってひっくり返してますよ
ちなみに「Dicky Moe」はハンガリー語では「Morbid Dog」(病的な犬)って意味なんだって
ラジオでAFN岩国(米軍放送)を聞いてると、「1分間のアメリカ史」というコーナーがあるのですが、
先日、そこで「白鯨」を紹介していたのですね、このシリーズではたいてい
歴史に残る軍の英雄などを紹介するワンポイントコーナーなのですが、なんでだろ?と思えば
ハーマン・メルヴィルはかつてアメリカ海軍に所属していた事があったのですね、
その時、このラジオでも紹介されていた事なのですが
ハーマン・メルヴィルの作品は、死後20年たってやっと評価されたそうです、ゴッホみたいですね
その頃から「白鯨」は何度か映画化もされました、1956年のグレゴリー・ペック主演が有名ですし
僕の高校の英語の教科書にもこの「白鯨」が使われていました
監督、ジーン・ダイチです、この作品でも実験的な手法が見られます
エイハブ(?)船長の船から映ります、ここでの船の名前は「Komquot」です
原作での船名は「Pequod」なのですが、「Kumquat」(キンカン)のパロディでしょうか
最初のこのシーンでびっくりです、この遠近法!アニメには詳しくないのですが、
周りに背景の絵を配し、カメラは奥の船に近づき、背景も引きピントが合う、チェコならでは(?)の
いきなりアートアニメの世界なのです、もう「トムジェリ」だなんて思えないくらいですよ
背景の美しさは他のトムジェリでもまずないでしょう、アメリカ文学と東欧アニメの融合です、
線の細かさでもよく描けている作品です、僕はこれを今までTV再放送しか見ていなかったので
これはDVDで見る作品だと思います、ちなみにDVDではワンコインシリーズの「船に乗って編」に
収録、500円で手に入る時代なんて当時から考えれば夢のようです(当時だと500円札か?笑)
このエイハブ船長(?)の狂気がすごい、見た目も日野日出志の恐怖漫画みたい、怖い~!
↑日野日出志、この人の恐怖漫画の擬音は超恐ろしいですね~、、どろどろどろ~、脱線、、、
↓クルーも恐れています、ジーン・ダイチ監督1作目の動物実験の博士の不気味さを久々発揮です
原作では行動を共にするクルーも、この狂気にはついていけません
ここでは恐ろしくなって逃げ出してしまうのですが、原作「白鯨」の中に出る
航海士スターバックは、後にコーヒーチェーン「スターバックス」の名前の
由来になったと言われます
↑お馴染みこのマークはギリシャ神話に出てくるセイレーン(人魚)がモデル
スターバックスと人魚との関係が納得ですね、今度誰かに言ってみよう!(?)
クルーが逃げ出してしまったので、港から船に連れてこられたのがトムさん、
あ~あデッキ掃除をやらされていますが、ここに住んでるジェリーが早速いたずらしていますよ
参ったナ~、の表情のトムさん、またベロだしてますね
ストーリーは結果的に船長でなく、トムさんがモリのロープにからんで連れていかれます
この鯨の表情もけっこうよいのですよ(笑)シリーズにしてもいいくらいですね
この後、ジェリーが自室(?)で本を読むシーンがあるのですが、実は2度この場面はあり
どうやら2回とも同じシーンを使っているようです、ページのめくり方、まばたきが同じでした
ジ・エンドです、これ7分では短すぎますね、長編にしてほしかったかも
でもこの大作を7分にまとめてしまう方がタイヘンなのかもね

