<山郷のおきゃく>吉田兼好児の土佐日記 ま~あ“ほどほど”に 

“おきゃく”は、南国土佐では酒宴のこと。今も青年衆や娘衆の声が山郷に響いてくる・・、よさこい踊りの練習らしい。こすれあう青葉の囁きにも耳を傾けながら、今夜は“おきゃく”で“酒と肴と男と女”の話も“ほどほど”に・・・。怖そうだね~!、エッ!、怖そう?・誰が・・、僕が!?、は~あ・そんなに見えるんですか~?、参ったな~あ、そう言われると・急に暑くなったせいか怖い顔しているかもしれない?・愛猫も近づいて来ないからな~あ・・・・、ま~あ・そんなこと言わずに、いつものように付き合ってよ!・・、とんでもないですよ~!、ちっとも怖い男じゃありませんよ!・僕は、何も変わっちゃいませんよ、いつも通り“ほどほど”ですよ~・・・・、呑兵衛でしょう!?、エッ!・呑兵衛!・誰が?・・・、僕が!?、嫌だな~あ・とんでもない!・決して大酒飲みじゃありませんよ~・・、夕べ・街で?・それがどうした?・・、またまた・とぼけて!・・、エッ!女将と!?・・、ね~え・ちょっと、それっ・冗談きついよ!・・、そりゃないでしょう!?・いくら何でも!・・・・仮に・よ、あったとしても・よ、「何!それ!・僕はまったく身に覚えはありません!、いやいや!・僕は存じません!」、と、モノ忘れなどしませんよ!・あんな“ほどほど”の女将だったら・・・、ま~あ・呑兵衛だとしても健忘症じゃありませんよ!・酒はちょっと付き合い程度に“ほどほど”ですよ、しかし・・、やっぱり・そんな風に見えるかな~あ、弱ったな~あ・よく他人にそう言われるんだよね~・人徳がないからな~あ・・、なるほど・な~あ、やっぱり・そう見える?、顔に出るんだよな~・この歳になると・・・、ね~え・ちょとちょっと!、どうでもいいけど、どさくさにまぎれて、そんなに酒を注がないでよ!・もう飲めませんから・・まったく、参っちゃうな~あ・そんなに飲ませて・・・、エッ!何?・聴こえないよ!、ぶつぶつ独りで言わないで・・・・、エッ!・そのこと!?・・それは止めたほうがいい!・・・、それを聞かれると・ね~え・・・・飲んでる美味い酒も・まずくなる!、やめなよ・冗談でも・・・、嫌な奴だね~・その性格!何とかならない?・・・、しかし・しつこいね~!・・・、でも・そう言われるとね~え、たしかに・・・やりたい放題だったよ!・それは認めるよ・・・妻や子供ら家族を犠牲にしましたよ・僕は・・、狭いちっぽけな世の間を甘い汁を求めてね・木々を飛び回る“その日暮らし蝉”で生き延びてきましたよ・・・・、今じゃ・飛び過ぎて羽無しになったけど・・、でも・けっこう気楽ですよ・此処は、初夏の涼風が運んでくる潮騒も・“ほら”、元気な若者の夜さ恋踊りの声も、そして、青葉がこすれ逢う囁きも心地よいし・ね・・・、“ま~あ”おっしゃる通りかもしれませんが・ね・・、無理やり酔わされ・喋らされる無口酒より・・ジャズは・・、ま^あ、“酒と肴と男と女”の話より、はるかに・ず~と“ほどほど”に・・、好きですが・ね。

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