吉田兼好児の速筆エッセイ集「音の履歴書」より 断崖絶壁のレストランで唄う

観光地・南国土佐の看板 ある日のライブ “此処はなんぜよ!”

今は亡き「高知観光特使」大橋巨泉氏が手土産に作った高知観光キャンペーンのキャッチフレーズは「ローマの休日」もどきの「RYOMAの休日」だった・・・。とにかく・高知は、人を驚かす話には事欠かないが。

至る所で「龍馬」の看板を目にする・空港だって「高知龍馬空港」、レストランのみならず・冠婚葬祭場だって「龍馬」がある。「龍馬」が、大安売りの土佐である。また、NHKTV番組「ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!」・この番組の解説先生は、土佐人でもある。この“いごっそー”先生でも・恐縮する!?高知のJR駅名が「ごめん駅」である。この土地の市名は、なんと・「南国市」である。こんな“暑苦しい”名前を、今更付けなくても・・と、思う時がある。しかし、「南国土佐市」は・あるようで、まだないが・・・。

変った看板では「カステラは売っていません!」と、唄ったこの看板は・・中古自動車販売店の「長崎屋」だった・・・いつも此処を通るたびに、車を買ったヒトにはカステラをサービスしてくれるのか?、と、思ったりもする・・・。

◆ある時、演奏依頼があったレストランに行った・・、驚いたのなんの!そこの店名!、ここは数学者が経営しているのか!?・・・・なんと店名は、「1・1/2」(いちとにぶんのいち)だった。また店は、南海地震の津波でえぐられそうな波かぶりの断崖絶壁に浮かんでいた。デイナーショーとハチキン美人のファッションショーの演奏だったが・・さすがに、演奏している時は、ハチキン美人を横目に演りながら、「地震よ!・津波よ!・高潮よ!、来るな!・来るな!」と、心で叫んでいた・・・・

 

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