吉田兼好児の速筆エッセイ集「土佐日記」より 鍋夢遊歌詩 

龍馬好みのシャモ鍋を村の若衆と囲んで唄う夢遊歌・・。東京下町居酒屋ニ階・美人女将の悦楽修行で初めて知った蘇生の味、米軍横田の楽隊小屋で・チョコレート言葉の恋唄師匠に育てられた道楽者は、“グツ・グツ・グツ”と音立て煮えるシャモ鍋の湯気立ちこめる美味に酔いしれ今宵は夢心地。鍋胴元は縁起占うサイを振る、くすぶる煙に舞い落ちる出目は、“一天・地六の七”・・・煮えるシャモ肉旨味の“ジュウ”、よろけながらも出た歳の目は、少し生き延びたか“七とジュウ”・もうとっくに古希は過ぎた、と、にっこり笑う、こんな歳など人生ヒヨコの一里塚、乾杯音頭も笑みの中・・・。明るい農村嫁姑、谷間に響く笑い声、聴き耳・寒椿は転げ落ちる・・、暗い農村・嫁姑、木陰に隠れて・愚痴ばかり、四六時中・作り笑いじゃ身が持たぬ・・・、愚痴で疲れて・鍋囲む・・お互い伸ばす箸数重ねるうちに・笑顔がこぼれる嫁姑・・・。酒好きイゴッソーは鍋囲む・・・。あ奴が右じゃ、俺りゃ左、土佐の言葉で天邪鬼、天邪鬼は左巻き、左巻きは荒磯魚、こいつは美味い鍋料理・・、流れる唄は八代亜紀・・・♫お酒はぬるめの燗がいい、肴はあぶったイカでいい♪・・、何も食わずに・飲んでは喋り、始末の悪い立て板水のイゴッソー、人に食う間を与えない、喋り終って人を喰う・・・やっぱり出たな!毎度恒例の“大事な用事”とやらを思い出す・・たらふく飲んで銭も払わず直ぐ逃げる、煮ても焼いても喰えない奴よ・・・こんな奴らを無口にさせる絶品鍋は、なんと云ってもクエの鍋・肥舌厳選番付の東正横綱、旨いクエ鍋好夢を誘う・・・あと一枚で猪鹿蝶、これが当たれば大三元、思案ろっぽう辞書引くばかり、ここは長崎・思案橋、龍馬も翔けた夜の丸山・夢鍋料理、♫ あーあ長崎は~・今日は~♬ 雨じゃない!、龍馬も走ったオランダ坂、誘ってみるかよ・異国の娘、言葉は要らない鍋料理、騙されたと思って・囲んでみたいね・もう一度、絶品美味の苦絵の夢鍋・・・。

 

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