<企業戦士は寝技師>人生スマイル 吉田兼好児の土佐日記 黒皮の手帖より

第一次高度成長期の企業戦士の会話、今じゃ落語のネタ。

 

体力勝負、頭の勝負、寝技の勝負、負けるが勝ちと来りゃ、接待勝負、朝駈け夜討ち、ノム・ウツ・タタク、夜の銀座・麻雀・ゴルフ、古今東西、売り手と買い手の鍔迫り合い、野球で云えば勝負が決まる最終回、営業投手の脳味噌勝負、決め手の球種を考える、企業戦士はホテルで寝泊り、真夜中に海外と打ち合わせ、早朝の営業作戦会議、朝一番に買い手へ走る、手に汗して見積書を持参、交渉流れで仕切りなおし、敵陣を極秘調査、再度営業作戦会議、飲むか・叩くか・打つか、打つに決まる、即電話、『どうですか、今晩あたり、気晴らしに、こちらで場所は用意しますが』、『うちは、面子がいない、そちらで面子は揃えてくれますか、』、『そりゃ、大丈夫です』、『それでは、何時もの場所に7時と云う事で』、『食事を済ませて行きますから、もう少し時間を遅らせてくれませんか、』、『いや、いや、こちらで食事は準備しますから、』、『悪いね~、それじゃ、後ほど、7時で』、『課長!OKでした、面子が足りないので、課長ともう一人お願いします、』、『係長、今晩どうですか?』、『は、はい、いいですよ』、『決まり!』、『お土産はどうしますか?課長!』、『そんなことは、君が考えてよ、玉は十分にあるから、心配は要らないよ』、それじゃ、打ったあとは、飲むか、相手もあっちの方は好きだから、銀座の馴染のママに、後は任すとして、まず、お土産を、相手の家族は、奥さんと、大学生の男の子と高校生の女の子、それじゃ品物は、コレとコレとコレ、『ちょっと、ひとっ走り頼むね、そこのデパートに行ってきて!』、『今、ちょっと手が空きませんが、』、『それは、後でいいから、先にコレ頼むわ!』、『は、はい』。『いや、そう来ますか、やっぱり、さすがですね、打つ手が読めない、上手ですね、まったく、コレで行くか!さあ、どうだ!』、『そ、そりゃ、“やばい”、通りませんよ、絶対に、止めた方がいい、』、『ロン!大三元!役満!』、『やっぱりな~あ、いや、まいったな~あ、凄い手、上手いね~え、さすが、こちらはハコテンですよ』。『今日はお疲れの処、お誘いしてすみませんね、コレ、クダラナイ物ですが、』、『いや、いや、こんな物は受け取れませんよ、』、『いや、いや、たいした物じゃありませんから、』、『処で、まだ、帰るには早いですね、近くの馴染の店に寄りましょう、いいでしょう!?、ママが、ちょと、いい女でね、』、『まったく、しようがないな、でも、ちょっと、終電が、』、『心配はいりません、車は、こちらで自宅まで手配しますから、』、『ママ、来たよ~、』、『ま~あ、お久しぶりね~え、この処、ちっとも顔をみせないじゃないの、生きてたの?』、『この方、僕の大事なお客さんだから、宜しく頼むよ』、『すみません、私、まだこれから仕事がありますので、会社に帰ります!』、『おい、おい、独りで残すの!?』、『ママ、頼んだよ、車は手配済だからね、12時半に店の前に』・・・。企業戦士は寝業師だったよ、懐かしすぎるね。

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