吉田兼好児の土佐日記 旬猛娘

土佐の田舎暮しで、“いいな~あ”、と感じることは、何と云っても、住みなれた東京から届く便り、時々ではあるが、懐かしい昔話をしてくれる、またそれが、時折新鮮にも感じさせてくれる、東京時代は、すし詰めの電車の中・慌ただしい雑踏・ビルの谷間で、友人から聴くニュースに、『あ^あ、そ~お、へえ~、たいしたもんだね、』と、軽く答えて、すぐ忘れる、今、土佐の田舎で聴く東京便り、格別に好い場合、悪性健忘症にしては、一語一語をよく覚えている、庭のゴーヤ・トマト・枝豆・ハーブなどに水をやりながら、『お~お、そ~かよ~お、それは、それはよかったね~、うん、それは、たいしたもんだ、』と、独り言、急に大きな声出し、愛猫を驚かせたりもする、定期的に舞い降りる母校の大学便りも格別である、総合大学に比べて学生数の少ない工学単科大学、今週の大学便り、色々と面白い記事はあったが、“あっと驚く為五郎”は、なんと云っても、この後輩・猛娘、庭のハーブを摘みながら、『建築学科・構造学セミ、一年時に文化人類学に興味、1ケ月間、水道・電気も無いボルネオ島で先住民と暮らした!?』、とんでもない娘、『4年前に、大手ゼネコン清水に入社、都内の金融系新築ビル建設を担当』、なんだこりゃ~あ、“大丈夫かよ~お”“土佐のハチキンも負けるぜよ”、『ゼネコン清水で初の女性現場監督!』、鳴り者入社の軽音楽部員ではないらしいが、体育会系の土佐ハチキンモドキ、間違いない猛娘である!

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