AMAZON出版・新刊本。好評発売中!。ライトノベルエッセイ本。

【AMAZONの本の紹介】

明治時代にアメリカ移民した1世祖父母たち、日本とアメリカ双方で暮らした2世達、太平洋線で日米別れて敵味方で戦った家族たちの悲劇、収容所に入れられた移民家族1世・2世ファミリー、終戦後・平和な世に生きる3世たち、アメリカ生まれ・日本育ちの2世)母の写真集を重ね合わせ、アメリカ移民1世達の生地・観光地南国土佐の平和で豊かな風情を、軽妙な速筆のタッチで綴ったライトノベル随筆です。速筆と云う新分野ライトノベル随筆・作家:吉田兼好児(よしだけんこうじ)、現在・好評発売中の速筆シリーズ(1)船の翼・シリーズ(2)イギリス旅情、に次ぐ注目のシリーズ第3作目です。著者は元)大学客員教授・プロのジャズミュージシアン・国際商社マンです。

二つの祖国: 吉田兼好児の二つの祖国 | 清岡隆二 |本 | 通販 | Amazon

上位レビュー、対象国: 日本

すしぞう

5つ星のうち5.0 「二つの祖国」を読んで

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清岡家は国際的だなあ…とは何となく思っていたが、祖父母が明治時代に渡米されたことには驚かされた。2世の方も含めて、第二次世界大戦を挟んでの人生は、想像に絶するものであったに違いない。
調べてみると、明治末期に渡米を奨励する書物が多く出版され、夢を追って渡米した人々がいたようだ。清岡家の祖父母がこれにあたるかは分からないが、日本人のz海外移民の第一陣だったことは間違いない。

アリゾナ州ウィンズローで育った清岡さんのお母様が生まれたのは2018年。この年は、田中角栄や中曽根康弘などが生まれた年でもある。ウィンズローは、イーグルスの名曲「Take it easy」の歌詞に出てくる街だ。イーグルスの曲で有名になった街で、調べてみると、蒸気機関車の時代、アチソン・トペカ・サンタフェ鉄道の水と燃料を補給する重要な停留所だったようだ。けれども、昔はほとんど何もない田舎街だっただろうと思う。この時代でも、今とは比べものにならない大変さがあったのではなかろうか。

私の周りも国際的な者が比較的多い。私自身も若い頃にカリフォルニアの大学で学位を取得し、最近まで海外の企業とも仕事をしていた。長男は現在インドネシアのリーガ1でサッカー選手として成功している。次女は高麗大で韓国語を勉強して、そのままソウルにある拘りのコーヒー店で働いている。つい最近、次女が一時帰国中に、そのコーヒー店のマネジャーと彼女が遊びに来て、うちに泊まっていろいろな日本酒を飲み比べていた。

親友も、昔、私の叔父の所有する貨物船で渡米した。飛行機代を浮かせるためだった(もう2度と船は嫌だと言っている)。その後、ワシントン大学の大学院をGPAトップで修了してボーイング社に入り、777のFly by Wireというフライトコントロールシステム開発を主導した。その後、同社の役員になって数年前にリタイアし、今はシアトルにある2つの家を行き来して、自宅の庭仕事や大工仕事を楽しんでいる。

けれども、この本で紹介されている海外移住とは全く違っているように思える。今はいつでも生まれ育った日本に帰れるし、飛行機の移動なので1日あれば移動が出来る。

清岡さんの著書にある祖父母が渡米した時代は明治時代で、西暦で言うと1900年前後である。1900年当時の東京は、まだ時折馬車が走っていたような時代だ。白洲正子の著書に、幼年時代に住んでいた、今からは想像出来ない紀尾井町界隈の様子が書かれていた。白洲正子が生まれたのは1902年なので1900年代初めの東京のことだが、クルマさえまったく走っていない時代だった。

日本への募る想いがあっても、簡単に帰れる時代ではない。本物の国際人のパイオニアだったに違いない。(現代の国際人が偽物という訳ではないが…)

清岡家の人たちは、今はアメリカと日本に分かれて暮らしていると思うが、簡単にコミュニケーションが取れる時代になったので、家族の歴史を子どもたちに代々伝えて、末長く関係性が続いて欲しいと、この本を読んで切に思った。

また、土佐の酒のことや大酒飲みを競う大会でハチキン(土佐の男勝りの女性こと)が優勝したことが紹介されている。土佐らしいイベントだ。以前、2年位いた会社で高知出身の人(大先輩)がいて、由緒正しい居酒屋(雰囲気のある気取らない居酒屋)が好きでよく一緒に飲んだ。特に想い出深いのは、神保町にあった「酔の助」という居酒屋。雰囲気のある居酒屋だったが、コロナの影響で数年前に店じまいした。
高知出身の同僚だったその人は、リタイア後、故郷の高知に帰って、今は時々、「ひろめ市場」や「葉牡丹」などの居酒屋で飲んでいる。土佐の酒と言えば、土佐鶴は好きな酒の一つ。この本に出てくる菊水という酒も機会があれば飲んでみたいと思う。

てなことで長くなったが、この本は、いろいろ考えさせられることや、脱線して自分の周りのことを思い出させる内容が満載で、楽しく読ませて頂いた。

5つ星のうち5.0 祖国…

日本でレビュー済み

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祖国は1つ。多くの人がそうだと思います。中には国際結婚で2つの祖国を持つ人もいるかもしれない。自分の意志とは反して2つの祖国を持たざる負えなかった人々。日本人の強さを感じます。後半は高知の酒や食、人のつながりなど少しほっとすることができます。考えさせられますが、今回もさらりと読み終えることができる読みやすい構成となっています