<円安・円安、東京今昔>吉田兼好児の速筆エッセイ「貿易商社マン日記」より 為替変動

 

現在は、異常な円安。海外から来日するビシネスマンや観光客は、日本滞在は大判振る舞い!。

 

しかし、この頃は異常な円高だった・・・・。

僕が担当するイギリス企業のスタッフは、以前は都内の国際ホテルが定宿だったが・この円高で、宿泊費や飲食代が安い日本人が利用するビジネスホテルに移らざるを得なかった・・・。

 

そんな頃、イギリス人が経営する港区三田にある「東京British Club」が賑わっていた。この社交倶楽部は、英国の地ビール(通称:ビター)も多種多様に揃っていた・値段も、“ロンドン”パブと同等に手頃だった。倶楽部内部は英国式カウンターパブ・そして、ダンスもできる広いフロアー付きのバンド演奏用ステージも完備されていた。すべて英国パブ風で支払いはCODで、とにかく安い値段で飲める・軽食のサービスもあった。東京に滞在する英国人には楽しめる唯一の場所だった。顧客の会話はイギリス英語Queen's Englishだったが・オーナーは日本語も達者で、日本の商社マンには好まれていた。ステージには、小規模なボーカル専用スタンドマイクPA装置、アップライトピアノやアンプ・ドラムセットも完備されていた。バンド演奏したい方や唄い方は自由にステージに上がってセッションを楽しんでいた。ノーギャラだったが・ミュージシアン向けの格安値段で飲食を提供してくれた。とにかく、お客も楽しめステージに上がる者も楽しめる「東京British Club」だった。

僕は、自分がケアしなければならない英国からのビシネスマンには必ずこの社交倶楽部を案内した。英国からの顧客も自由にリラックスして東京の夜を楽しめる・自分も彼等への気遣いをすることもなく大好きなバンド演奏を楽しめる、そんな、「東京British Club」だった・・・。

 

英国人経営者はデキシ―やスイングジャズが大好きだった・・・。僕の親しいジャズ仲間も此処は安くて飲めるし時間のある時は立寄ってはステージでジャズ演奏を楽しんでいた・・・、この頃が懐かしい!。

 

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