<東京時代、バンドを結成>吉田兼好児の速筆ライトノベル随筆集「音の履歴書」より 自分のバンドを結成する

バンド名はThe Swing Birds

 

◆振り返れば・・師匠や大御所・御大のアドバイスを素直に受け入れて、ひたすらバンドで演ってきた・・ほとんどが、リズムセクションをサポートするリズムギター弾きだった・また、それがいつのまにか自分の本分となっていた・・・、好い音のバンドに参加して・スイングの一体感で、いつも満足した・・・、どんなプロの名手だってアドリブソロの良し悪しは、多少あったが・・・しかし、アンサンブルの音は決してプロは裏切らなかった・何と言っても、ジャズを熟知した技量別格なプロ歌手のステージほど楽しいモノはなかった・・若い頃、自分もプロ歌手を目指してジャズ学校で学んだ時期もあったので、スイング感いっぱいの素晴らしい唄を傍で耳にしながら、ギターを弾く・この嬉しさは、言葉で表せないぐらいだった・・・。

リズムセクションでは・いつも、フレディグリーンを追い求めていた・・・しかし、ギタリストでは・・チャーリークリスチャン、バニーケッセル、ジョーパス、ハーブエリスが好きだったし、また管楽器では・特に、クリフォードブラウンやチャーリーパーカーをよく聴いていた・・・。

◆ギター弾きを再開した・ある夜、大田区千鳥町ジャズスタディオのセッションで、アメリカ帰りのパーカーを演っているアルト奏者に出合った・そして、彼と意気投合して、半年ほどスタディオで、パーカーの曲を色々と二人で工夫しながらデュオで楽しんでいた・・・。その後急に、スイングバップを演る自分好みのバンドを結成してみよう?、と、思いついた・・。フォービートのギター刻みでリズムセクションをサポートしながら、時折・自分の音でも、遊べる・・・、フロントはバップ派の管楽器奏者で・そして、唄伴が上手くて・リズムタッチの好いピアニストで、ベテランの歌手を専属にして・とか、色々と考えた・・・とにかく、お客様にいつも楽しんでもらえるステージを演れるコンボバンドをやろうと決心した・・・。

処が・・自分のバンドを結成するとなると、ホテルや催事での営業演奏は・契約で、ギャラも保証されているが・・キャパの小さいライブハウスなどは“入り人数”ベースの保証なので、ギャラの多少はつきモノ・当然、メンバーへの最低ギャラ保証の問題が起きる・・・、いつも美味しい営業の仕事があるわけでもなく・ライブハウスの演奏では、赤字のケースが多分増えるだろう・・・。自分のバンドをスタートするには、まず・仕度準備資金の問題があった・それで、ハチキン・マネジャーに相談した・・。

 

その結果、「やりたければ・・やれば!」、と、・・・とにかく “Okay”だった・・・・。

 

バンド名は、ベニーグドマンの代名詞「SWING」・チャーリーパーカーの愛称「BIRD」にちなんで、The Swing Birdsとした・・・。

 

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