映画ファンからはジャン・リュック・ゴダール,フランソワ・トリュフォーと並ぶヌーベルバーグが生んだ巨匠,ルイ・マル監督のデビュー作にして最高傑作,音楽ファンからはマイルス・デイビスがラッシュ・フィルムをみながら即興演奏した恐るべき名演を収録した傑作として,映画~音楽の両面から最高の評価を得る映画です(1957年作)。
ジャズ誌としても興味津々で,去る2月に角川映画さんからお話を伺った。
出演は吉瀬美智子さん(原作ではジャンヌ・モロー),阿部寛さん(原作ではモーリス・ロネ)玉山鉄二さん,北川景子さん,津川雅彦さん,柄本明さんほか。監督は緒方明さん。ジャズ・ファンが特に注目する音楽は,ロンドン在住の作編曲家・山本友樹さんのオリジナル作品に,渡辺香津美さんがギターを弾く。エンディング主題歌はクラブ・ジャズ・シーンの人気ユニット,ジャズトロニックが担当。今回のギターの起用は,日本人の感情により響く楽器という理由から製作陣によって選ばれたそうで,香津美さんがマイルスのオリジナル・サウンドトラックの演奏に対して,まったく違う楽曲,スタンスで,どう挑み,どう超えていくかが楽しみです。
本作は世界各国のオファーがあった中から,本作の権利者でルイ・マル監督の息子であるマニュエル・マル氏によって選ばれました。これは日本映画界にとって「栄誉」「快挙」以外のなにものでもありません。ちなみに,ハリウッド案では高層ビルでのサスペンス大作だったとか・・・。現状ではこれ以上の情報が公開されておらず,詳細が分り次第,続報をお届けする予定です。
![SwingJournalStuffのブログ-死刑台のエレベーター](https://stat.ameba.jp/user_images/20100303/18/swing-journal/d2/c0/p/o0142014210436444490.png?caw=800)
ちなみに日野皓正(トランペット)さんが,2004年にリリースした映画『透光の樹』のオリジナル・サウンドラックは,ラッシュ映像をみながら吹込んだ作品で,筆者もスタジオでその模様を実体験しました。「マイルスもこうして吹いたのか」と感慨もひとしおだっただけに,「同時吹込みではなかった」説は個人的にはあまりありがたくないですね,実を言うと・・・。(編集長・みもり)