10月末から始まっている読書月間。
この機会に、今年まだ一度も図書室に来ていない高学年に
なんとか足を踏み入れてほしい・・・
放課後の職員室の給湯室。
ちょっと和やかな会話が弾んだ瞬間。
授業でまだ一度も利用がない6年生のあるクラスの
担任の先生に、思い切って声をかけてみることにした。
「先生、6年生はイベントも多くて忙しいと思いますが、
一度だけ、図書室で本やバーコードの使い方の説明を
させてもらう時間をいただけないでしょうか…」
(どきどきの瞬間)
「はい、ちょうど読書月間だし、行かせてもらいます!」
(やったー!)
こうして、翌週の月曜、図書の時間に
図書室に来てもらうことになった。
クラス利用はたぶん最初で最後の機会。
この時間をいかに使うか。
アプローチのしどころである。
子どもたちが一番興味を示す、バーコード利用の仕方は
最後にし、最初に図書室の本の配架(並び方)と分類、
本の調べ方を紹介することにした。
学校図書館を利用する上で、
司書がレファレンスする基本の部分だ。
市内の中学校では最初のオリエンテーションで
組み込んでいる内容。
しかし、学校図書館に専任がいなかった小学校では
ほとんど知られていない。
長々と説明するとあきてしまうので、
短時間でテンポよく話したい。
考えた末、ホワイトボードにマジックでキーワードを書いた
わら半紙を貼り付けながら、質問形式で進めることにした。
最初はマッキー黒マジックの普通の太さで字を書いていたが、
ホワイトボードに張り付けて見てみると、
遠くからでは字が細くて読めなかった。
6年生にもなると目の悪い子も増えるので、
極太のマジックで書きなおす。
点在する椅子からでは見えないので、机を動かして
ホワイトボードの前に座ってもらうことにした。
当日。
6年生がやってきた。
皆がホワイトボードの前に座ってくれる。
ここでの担任の先生の最初の言葉がすごくよかった。
「みんな、図書室に来たことがありますかー?
図書室に来たことがある人、手をあげて。」
まばらに手があがると
「へぇ、○○君も来たことがあるんだ。
今日は図書室の先生から図書室の本の使いかたについて
お話があります。その後で実際に借りてみましょう」
この一言で、皆の意識が自然に私に向いたのがわかった。
私も途中で
“日本十進分類法”と書かれた紙を貼り、
「はい、これは何と読むでしょう。
間違えてもいいから言ってみて」
「本の調べ方ですが、
みんな、“目次”と“さくいん”って知ってる?
知っている人、手をあげてみて。」
子どもたちだけでなく先生も参加してくれる。
挙手のあとは、どの子も、ふむふむという顔で聞いてくれる。
こうして一通りの説明が終わり、本を借りる時間となった。
その時、担任の先生が
「はい、それじゃぁこれから本を選んで借りてみましょう。
先生はもう2冊決まりました!」
と言ったのだ。
「えーっ、先生、何借りるの?」
先生はホワイトボードの先にある、
紹介コーナーの本の中から2冊の本の題名を言った。
先生のこの一言で、子どもたちがどんどん2冊選んで
貸出カウンターの前に列を作った。
先生も一緒に並んで本を借りてくださる。
本の配架を事前に説明していたので、
2の棚から歴史の本を借りる男子も多かった。
私は貸し出ししながら、
この6年の先生のすばらしい学級経営を見たと感じた。
翌日の職員室。その先生が私に声をかけてくださった。
「あいつら、朝から本面白れ~って、朝読書の時間に
喜んで本を読んでいましたよ。ありがとうございます。
もっと早く行けばよかったです」
とても嬉しい言葉だった。
声をかけてみてよかった。