二人にしてくれるかな。了承してくれたのに向かった先にはOくんがいた。

柚菜の頭には既に『引退』の二文字が浮かんでいた。
一応、恋人登録をしてあったOくんにもその話をしておこうと思った。
正直な話、引退を決意したわけではなかった。
まだまだ迷いはあった。
だけど仮に続けるとしてももぅ2度とKくんらには関わりたくない。
だから恋人登録も解除する。
そんなつもりで話をしようと思った。

それとは別にOくんに対する疑念があったのでその真相次第では引退するつもりでいた。
その予感は的中でした。




「Oくんって雪見のこと(ゲームの恋人として)特別すきじゃなかったよね。
○○のことが本当はすきだったよね。
途中から気付いたんだ。」


そう言った。


「ごめん…。アイツのことはずっと昔から好きだったんだ。
だけどアイツは俺のキャラが弱いからって恋人にはなってくれなかった。
そんな時、雪見を知った。
いいなと思った。
その反面もし俺が雪見と恋人になったらアイツはどんな顔をするだろうって考えた。
その矢先にKから雪見を紹介された。
雪見と恋人組んで好きになれそうだった。
だけどアイツが俺を向いてくれたことが分かったら、やっぱりアイツだったんだ。」


正直すぎるよ…Oくん。
(真相はまだまだこんなもんじゃないはず)

「今までありがとう。」

去ろうとする雪見。


「あっ……雪見……。」

言い淀んでいる。


「引退するなら―――アイテムくれないかな。」


最低だ。
一時でも好きになったなんて。

(まだだ。まだ真相はこんなもんじゃないはず)


「いいよ。銀行ついてきて。」


たいして必要としないものをあげることにした。
最低な男だったけど、それでも雪見に付き合ってくれた。


渡したアイテムやお金に対して

「えっ!?こんなもん」

だって。
どこまで最低なんだ。
柚菜も見抜けないなんてバカだ。

笑って、

「いろいろあげたいのはあなただけじゃないの。
あなた以上にもっとあげたい人がいるのよ。
残念だけど。」



これが精一杯の強がりだった。


その時実際雪見の手元に残ったものは現金たかだか10万。
一番のお気に入りだった職業服(数ある職服のうち一番高価な物)とそれに見合った武器と特別なリングだけだった。


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