突然の啓二の登場と喧騒が追い込みをかけられた日が
フラッシュバックとなって突如現れ、
あたしはパニックを起こした。


息がくるしくなり額や手のひらにはじんわり汗が出てきた。

じろーには何も告げずにあたしはその場から逃げ出した。


あたしがあたしとばれるわけがないのに怖かったのもある。



なにも知らない啓二はじろーとあたしを見つけるとよってきたらしい。
その前にあたしは逃げていたけど。


じろーはあたしのそんな状態をすぐさま察知してくれて
内緒話を送ってくれた。


だけどあたしはすぐには返事が出来なかった。

目では内緒話が入っているのが分かっているんだけれど、


頭が完全に止まっていて状況がよく理解できていないのだ。


『さゆ、どこにいるの?』


そう聞かれていた。


『さゆ?
大丈夫?
どこにいるの?
オレもそこにいるから教えて。』


あたしはパニックを起こしながらも申し訳ないと思ったから

「怖い…。

じろーはそこにいていいから。
あたしはひとりでいるから大丈夫。
自分でなんとかするから。」



『さゆ。
いまどんな状態?』

あたしは平気なフリしていたのに。
どうして文字だけのチャットで
あたしのSOSが分かるんだろう。


不思議な人。