ハジマリのウタ-5-

あたしとじろーはどちらか先にログインしていた方に内緒話を送って、相手のところまで行った。


その日はあたしがじろーに内緒話を送り、広場にいるというのでそこに行った。


その日の広場には人が少なくて居心地が良かった。
でもそんな時間は束の間の出来事でみるみる人が集まった。


それもなぜかじろーの知り合いばかり。
途端に周りが騒がしくなり、あたしは目が回る思いになった。

あたしがPKでいた時からずっと人が少ない場所にいたから、喧騒は元々苦手だった。

それが一般人の領土にくることになり、後に啓二によって追込みをかけられたその時に大勢の人に囲まれ、蔑まれた。


そのことで苦手からもっとさらに嫌な方向に向かった。


じろーがそばにいても周りに人が沢山いてその上騒がしいとなると苦痛以外のなにものでもなかった。



あぁ…、どうしよう、この場から離れようか…。



そんなことを考えている間にじろーから内緒話が入っていた。



『おい。大丈夫か？』


現実の世界ではないのだから表情や声のトーンが変わるのをしることは出来ないはずなのにじろーは察してくれた。


『場所替えようか？』


せっかく周りに友達がいるのに気遣ってくれるじろー。


とりあえずは断った。



そのすぐ後のタイミングで突然啓二が現われた…。