最終話の公開が遅くなってしまってすみません…
10月になった途端思った以上に仕事が忙しくなってしまい、身動きが取れませんでした…(;´▽`A``
【蓮キョde都市伝説2】の結編・最終話です。
読書傾向がひっそり猟奇的な私、都市伝説も大好きです。
キョコたんが新人OLさん、敦賀さんが…な、お話です。
蓮キョだからこそのお話つくりをしておりますが、ええええと思われる蓮キョスキーさんが多いと思いますので、立ち入りには十分お気をつけ下さいませね!
ちなみに今回は、怖さ<蓮キョな感じでお送り致します。(前回比?)
元ネタをご存知の方も、ご存知でない方も、この手のお話がお好きな方にお楽しみいただけたらなと思います。
ではでは、【蓮キョde都市伝説2】の起編 ・承編 ・転編 を読まれた方は、どうぞ!
***
…閉ざされていたドアが開き、室内からは大勢の人が続々と外の廊下へと出て来た。
「最上さん」
名前を呼ばれて顔を上げれば、そんな人々の中に蓮がいる。
「敦賀さん…」
彼の顔を見つけたキョーコが安堵した思いでソファーから立ち上がると、
「最上さん。ごめんね、随分と待たせてしまって」
こちらへと真っ直ぐに歩み寄って来た蓮は手振りでキョーコを元のソファーに座らせ、
「あんなことの後で、1人でいるのは不安だっただろう?」
心配げな表情で、彼を見上げるキョーコの顔を覗き込んでくる。
あのニュースの後。
事件を知り不安を抱えたマンションの住民達の間から事情の説明を求める声が上がり、それを受けた管理会社が、マンション内の集会室に有志の住民を集めて説明会を行なったのだ。
警察から事件について、そして、同時にやって来た警備会社の担当者から警備面に対する説明があり、それが今丁度終わったところだ。
蓮が向けてくる眼差しに、キョーコはそっと首を横に振る。
「大丈夫です、ついさっきまで警察の方といましたし…それより、そちらのお話はどうでしたか?」
「うん、まあ…皆、それなりに納得はした様子、かな」
そう言って肩を竦めた彼は、隣のソファーに腰を下ろしてやれやれと溜息を零す。
集会室から出て来た住人達は、集まる前とは違い、落ち着いた表情でそれぞれの部屋へと戻って行っている。
正しい情報を聞き、警備面での説明を受けることが出来て、蓮の言う通り『それなり』に安心することが出来たのだろう。
事件直後のマンション内は、事件を知った人々がそこここで集まり、騒然とした様子だったのだ。
「…自分の住むマンションでこんな事件があったら、皆さん当然、不安に思いますよね…」
集会室前に並ぶ休憩用のソファーに身を沈めたキョーコは、人々の背中を見送りながら、思わずしみじみと呟いてしまう。
蓮が集会室での説明会に顔を出している間、キョーコはこれまでの出来事を警察に話し、同じく事情の説明も受けていたのだ。
…キョーコの元にやって来たあの男は、地域の交番に勤める本物の警察官だったそうだ。
教えて貰った話によると、殺された女性は、結婚前から男と浮気をしていたらしい。
このマンションを選んで引っ越してきたのもその関係があったからのようだ。
夫の留守中に部屋に上がりこんでいた男は、女性と別れ話で揉め、衝動的に犯行に至ったと言う。
キョーコともう1人、小さな犬を連れたあの女性とロビーで鉢合わせたのは、事件を起こしたその直後だったのだ。
顔を見られたと思った男はあの後ロビーへと舞い戻り…
2人が降りた階を確認した後、今度は通報を受けた警察官としてマンションへとやって来た。
そう。
男はあの時、口封じの為にここへ来ていたのだ。
重傷の怪我を負いつつ男の犯行を証言したのは、ロビーで顔を合わせたあの女性だった。
彼女はキョーコとは違い、フードが外れた男の顔を、すれ違い際にしっかりと見てしまっていたのだ。
警察だと言って部屋にやって来た男の正体に、彼女はすぐに気付いて…
腕に抱いていたあの小さな犬が激しく鳴いたことで、近隣の住民が刺された彼女の様子に気付いたそうだ。
命に別状がなかったことは、この事件の中では不幸中の幸いで、本当によかったことだと思う。
そうして男は女性の部屋から立ち去り、続いで、キョーコのいる蓮の部屋へと現われた。
服についた染み…
あれは、男の手に付いた彼女の血だったのだ。
今のキョーコは蓮から借りたシャツを羽織っている。
染みのついたカットソーは、男の犯行を裏付ける『証拠』として、警察に提出してあった。
もしも、キョーコが男の顔を見ていたら。
男が部屋にやって来た時、少しでも反応を見せていたら。
その時自分は一体どうなっていたのだろうか…?
そう思うと身体に震えが走って、キョーコは蓮のシャツごと、自分の身体を抱き締める。
…すると…
「…やっぱり…殺人事件があったマンションなんて、最上さんも怖いと思ってしまうよね…」
こちらを見守る蓮に沈んだ声でそう言われてしまって、思考の海の中にいたキョーコは瞳を瞬かせ、そのままふるふると顔を横に振る。
「いえ、そんな…そんなふうには思いません。今回みたいな事件は、警備の上でだって限界がありますし…」
まさか警察官が犯人だなんて、誰も思いも寄らないだろう。
どんなに警備を厳重にしたところで、犯人はそこをすり抜けてしまうのだから。
蓮のマンションの一室で人が亡くなったということは、怖いことと言うより痛ましいことに思えていた。
それより何より、キョーコにとって一番恐ろしいのは、どうやら自分に備わっているらしい、事件を引き寄せる『何か』だった。
ついこの間殺人犯を車に乗せたかと思えば、今度は命を狙われかけるだなんて。
運よく今回もすり抜けることが出来たけれど、それだって、男が考えを変えていたらどうなっていたか分からない。
念の為などと思われていたら、今頃キョーコはこうしてここにいることは、なかったのかも知れないのだ。
自分の想像に顔色を悪くしたキョーコは、大きく眉尻を下げてしまう。
(こう言うのって、立て続くものなのかしら…?私、物凄く間が悪い?いいえ、そんなことでは説明できないレベルだと思うわ…)
やっぱり呪われている。
全ての発端ではないにしろ、やはり何かしらの原因が自分にあるような気がして、ますます心が重くなって来る。
「むしろ、敦賀さんの方が私のことを気味悪く思うんじゃないでしょうか…こんなに立て続けに周囲で事件が起こるだなんて、普通じゃないですよね…」
頭を抱えたキョーコは、堪らず隣りの蓮を見上げて思ったままのことを口にしてしまう。
既に2回も、蓮を自分のこの凶運に巻き込んでいるのだ。
こんなに度々事件に遭遇する女の子は、そうそういないだろう。
周囲の立場になってみたら、出来るだけお近付きにはなりたくないだろうと思う。
…それなのに…
「それを言ったら俺もだろう?実家の店には殺人犯が来るし、自宅マンションでは殺人事件が起こるし…そう考えると、俺の方がずっとずっと、気味が悪いよね。生活環境で毎回事件が起こっているわけだし」
逆に蓮に困ったようにそう言われ、驚いたキョーコは目を丸くする。
「気味が悪いだなんて、まさか!そんなふうに思わないで下さい」
そもそも、殺人犯を蓮の実家のお店に連れて行ったのもキョーコ自身なのだ。
キョーコの引きの強さのほうが、有り得ないことだと思う。
なのに蓮は、
「本当に…?君が怖がるようなら、引越しも考えていたんだ。それが原因で、もう家に来てくれなくなってしまったら嫌だしね」
こちらの顔を覗き込むようにしてそう言うのに、キョーコはますます目を丸くしてしまう。
「引越しだなんてそんな…必要ないですよ、今回は犯人が特殊だったから起こったことで…こちらより安全な住居は、そうそうないと思います」
こんな凄いお家から家具を運び出すことを考えただけでも、引越し代の額に目が回りそうになる。
高層階な分、余計割高になるのかしらと思うと、そんなことを簡単に言う蓮に思わず呆れてしまう。
…大体『私が怖がるようなら』って…それって、一体どういうこと?
(わ、私、敦賀さんにそう思わせてしまうほど、様子がおかしかったのかしら…!?こんなことでは、敦賀さんにまたご心配をおかけしてしまうわ…!)
混乱する頭でぐるぐるとそんなことを思って、キョーコはそこで、あれ?と思う。
『もう家に来てくれなくなってしまったら』?
「あの、敦賀さん…?」
「うん?」
そろりと蓮を見上げると、どうかしたかと言うようにキョーコは蓮に見つめ返されてしまう。
そんな蓮に、
「それって…私、またこちらにお伺いしても、よろしいんでしょうか…?」
キョーコは疑問に思ったことを問い掛けた。
事件が起こる前に考えていた悩みごとを、不意に思い出したのだ。
蓮には、ちゃんとした彼女がいるのかも知れない。
社交辞令を真に受けて、厚かましい真似をしてはいけないと、ついさっき、意を決したばかりだ。
キョーコは今度こそ、社交辞令と本音の境目を、見逃さないように気をつけなくてはいけないのに。
「え、よろしいんでしょうか、って…そんな、俺の方がお願いしたいことなのに」
不思議そうな顔をした蓮は、そのまま小首を傾げる。
そして、
「このマンション、今後は警備員に常駐して貰うことになったんだ。住人以外へのマンション内の立ち入りに関しても、これまで以上に厳しくチェックをするようになったから」
そう言って、ちょっとだけ眩しいものを見るような眼差しでキョーコを見つめると、
「だから…これからも、安心してうちに遊びに来てね。最上さん」
膝の上に置いたキョーコの手の上に、ぽんと大きな掌を重ねて見せた。
…指先をやんわり包み込まれて、黒い瞳に真っ直ぐに見つめられて…
そんな蓮を間近にしたキョーコは、思わず、ぽわんと頬を赤らめてしまう。
物凄く親密な空気を蓮との間に感じて、これってもしかしてと勘違いしかけて…
キョーコは慌てて、そんな自分の思い違いを否定する。
危ない、蓮の悪気のない距離感に巻き込まれてしまうところだった。
今まで気付かなかったけれど、彼が取る女性との距離はキョーコの持つ認識よりも随分と短いらしい。
今夜の蓮は、何だか、思わせぶりなことばかりをするような気がする。
(敦賀さんたら…ホント、相手を選ばないと、色々誤解をされると思うわ…)
今の私みたいにね、と内心で付け足して、赤い頬を押さえたキョーコはおずおずと蓮を掬い見る。
「あの…本当にいいんですか?」
「勿論だよ。どうしたの、どうしてそんなに気にするの?」
「だ、だって…彼女さんに、失礼ではないですか?」
私だったら、自分以外の女性が恋人の部屋に出入りするなんて、とても嫌なことだと思うわ。
そう思ったキョーコは、だから、じりりとした想いが胸に浮かぶのを感じながら、それを出来るだけ見ない振りをしつつ、蓮へと問いかけたのだけど…
「えっ、彼女…!?」
なのに隣の蓮は、まるで予想外なことを言われたかのように切れ長の瞳を大きく瞬かせて見せた。
「彼女って…え、君以外でってこと?」
「え?も、勿論です!私、だから、ご迷惑なんじゃないかと!」
『君以外』って…どういう意味だろう?
自分を蓮の彼女だと勝手に思い込めるほど、キョーコはそこまで厚かましくはない。
すると、
「…そんな相手なんていないよ。待って最上さん、そんなこと、ずっと考えていたの…?」
何故かがっくりと肩を落とした蓮が、額を押さえてキョーコを困った顔で見つめてくる。
「え、だ、だって」
「あの何もないキッチンを見れば分かるよね?ああ、ごめん。何か食材を買い出しておこうと思っていたんだけど、何を買っておいたらいいかも分からなくて…いや、今はそう言う話をしている場合じゃないか…」
焦ったように言葉を重ねる彼を改めて見つめて、そんな彼を不思議に思いつつ、そう言われれば確かに…とキョーコは思う。
蓮に彼女がいるのならば、まず先に調味料さえないキッチンを何とかするはずだ。
考えてみれば、お邪魔した部屋には見た範囲では、女性の痕跡はひとつもなかったような気がする。
記憶の中の蓮の部屋をもう一度反芻してみて…
「…そう、なんですか…?」
思わずそう呟いて蓮をまじまじと見つめると、彼は更に困ったように眉を顰め、小さく肩を竦めて見せる。
「よく考えて。俺と君は、このところ週に3日以上は会っているだろう?更に他の女性とだなんて…無理な話だよ。時間以外の問題でもね」
「え!そ、そんなに私、頻繁にお会いしてました!?」
「うん、お会いしていましたよ」
自分の言葉を蓮に繰り返されて、キョーコはその事実に顔を真っ赤にさせてしまう。
(何それ…それって、物凄く占有率が高すぎない!?やだ、私、遠慮も知らないで…!)
出合った経緯を考えると、本気で図々しいことだと思う。
そのことにあわあわとした内心を抱えたキョーコは、蓮の言葉のうちに含まれた意味が、上手く読み取れない。
…でも、だけど…
(つまりは、他の誰かに遠慮をしなくていいということ…?)
そう思うと、一気に心が軽くなる。
想像の中での『他の誰か』の存在は、思うよりもずっと、キョーコの心に重く圧し掛かっていたらしい。
「…そしたら、私…また今夜みたいに、お食事を作りに来てもいいですか…?」
蓮を見つめたキョーコは、確認するようにそう彼に問い掛ける。
どうせ既に図々しい真似をしてしまっているのならば、もう、今更だ。
それならば、あのキッチンの状態を何とかさせて貰いたいと思う。
それに…
少しでも長く蓮の傍にいられるのなら、それはキョーコにとって、とても喜ばしいことだ。
…そうやってドキドキしながら返答を待っていると…
見上げた先にある蓮の美貌に、見ているほうが嬉しくなるような笑顔がぱあっと浮かび上がった。
「いいの?ありがとう、最上さん。よかった、誤解が解けて」
そしてそのままきゅっと指先を握り込まれて、
「もし、また何かあったとしても…俺が傍で守るから。だから安心してね、最上さん」
満面の笑顔でそんなことをさらりと囁かれて、キョーコはますます頬を真っ赤にしてしまう。
(つ、敦賀さんたらまた!これは、いつかちゃんと注意をしないといけないことだわ…!)
自分が万が一本気にしたらどうするつもりかと、キョーコは隣でにこにこしている蓮を恨みがましい思いで見てしまう。
人の気も知らないでと唇を尖らせてしまうけど…これはどうやら、彼の無意識からの行動らしい。
彼の傍にいるには、こういう物言いに慣れなくてはいけないようだ。
小さく肩を竦めてしまうけれど…
自分のこれまでの取り越し苦労を思って、キョーコは堪らず苦笑を零す。
(敦賀さんに彼女がいないなんて凄く不思議なことだけど…敦賀さんが、そんなことで私に嘘を吐く理由がないわよね。いないと言うなら、それがきっと本当のことなんだわ…)
1人で勝手に色々考え過ぎだったのかも知れないと、自分に対してそう思う。
このマンションのことについてもそうだ。
勝手に値段を想像して、勝手に立場の違いに気後れを感じていた。
もしかしたら聞いてみたら何だそんなことかと思うような理由が、ここにもまた、あるのかも知れない。
(実は物凄いお金持ちがお友達にいて、そのお部屋を一時的にお借りしているのかも?そのうち機会を見て、敦賀さんにお聞きしてみたらいいんだわ)
そう思えば更に心が軽くなる。
1人で考えすぎても、いいことは何もない。
そんなキョーコの隣で蓮は、
「遅くなってしまったけど、そろそろ夕食にしようか。どんな料理かな、楽しみだ」
そう言って立ち上がると、黒い瞳を細めて柔らかな表情でこちらを見つめてくる。
「あ、そうですね!ええと、敦賀さんのお口に合うといいんですけど…」
そうだ、今日の訪問の理由はこれが本題だ。
手料理なんて、食べて貰う機会はこれまでだるまやのご夫妻くらいだったキョーコは、途端に緊張してきてしまう。
味が好みじゃなかったらどうしようと思うと、そわそわしてきた。
そうしてキョーコは蓮に促されるままに、ソファーから立ち上がったのだけど…
「ああ、オーナー、まだいらしたんですね」
丁度集会室から姿を現したスーツ姿の年配の男性が、不意にこちらを見てそう言った。
「今夜は災難でした。警備の強化に努めますので、今後とも宜しくお願いします」
そして丁寧に頭を下げてきたのに、誰に向けられた言葉だろうかと、キョーコは周囲を見渡してしまう。
警備の話を口にしたのだから、この男の人は警備面を説明しに来てくれた警備会社の人だ。
この場合『オーナー』と言われるのならば、このマンションの持ち主、ということだろうか。
集会室のあるフロアは大勢集まっていた住民も既に去っていて、今はすっかり閑散としてしまっている。
こんな凄いマンションのオーナーが近くにいるのなら、一度でいいからお会いしてみたいわと思うけれど、この場には残念ながら、もう自分達以外に人なんていない。
だから何かの勘違いだろうと、キョーコは男性に声を掛けようとしたのだけど…
「こちらこそお世話になります。後ほど、管理会社を通して正式な契約書をお送りしますので」
…隣の蓮がそう言ってお辞儀を返すのを見て、目を丸くしてしまう。
「…オーナー…?」
蓮と2,3言葉を交わし、再度頭を下げて去って行く男性の背中を見送ってから、キョーコが軋むような動きで強張った顔を蓮に向けると、
「え?ああ、話したことなかったっけ?学生の頃に少し株で当てたんだよ。溜まった金額を遊ばせておくのもなんだから、家賃収入のある物件を持つように提言されてね」
瞳を細めて微笑んだ彼は、何でもないことのように、そうさらりと言ってのけてくれた。
株?
溜まったお金?
そんな、まるでお小遣いみたいな扱いをする金額で、マンションて買えるものなの…?
ぽかんとなったキョーコは、蓮をまじまじと見つめてしまう。
「えーと…確認ですけど…このマンション全体のオーナー、と言うことですよね…?」
「ん?うん、このマンション全部だね」
「…ちなみに、もしやこのマンション以外にも何か…?」
「うーん、駐車場と貸し出しているビルが何個か、かな」
1,2,3と指先で数える蓮を見て、血の引く思いを味わったキョーコはふらふらと座り込みそうになる。
…最上階ワンフロアの家賃どころの話ではなかったのだ。それは最早、キョーコの想像のレベルを飛び越えていた。
毎日お金に関わる仕事をしているけれど、扱う額がまるで違う。
そう言えば、蓮がキョーコの職場で口座を開いてくれた時、上層部がなにやら大騒ぎになっていたような…それって、こう言うことだったの…?
範疇外の出来事に、キョーコは目を白黒させてしまうのだけど。
「まあまあ。そんなことより夕食にしよう?君の手料理の方が、ずっと大事なことだよ」
にっこりと笑った蓮は、何事もなかったように背中に手を添えてきて。
(…敦賀さんて、やっぱり何者…?)
結局残った謎に困惑したまま…
楽しげな蓮に促されるままに、キョーコは彼の部屋へと戻って行ったのだった。
*END*
『敦賀家の謎』ですね。
ガソリンスタンド経営のクーパパも規格外なお金持ちの予定です^^
今回のお話が遅いUPになってしまったお詫びに、続いて敦賀さん主役の都市伝説おまけ話をUP致しますね~