昨日の朝の事だった
車で走っていると 懐かしい物が目に止まる
電話ボックスである
思わず戻り 電話ボックスを眺める
その敷地内にコンビニがあり珈琲でも買おうかと
コンビニに入る
ヤスヒコは
コンビニに入ってすぐにその店員が気になった
まだ20代後半くらいだと思うのだが
昭和のセクシー女優のようなフェロモンが出まくっていた
口元のホクロ
ほどよく明るめに染めた髪

スナックのママのような色々受け止めてくれそうな穏やかな笑顔
朝の9時である 当然浮いている
なぜこの時間に働く事にしたのか
どんなきっかけなのだろうか
勝手に想像すると
コンビニのオーナーとの関係性だろう
頼まれた形での労働がしっくりくる
『 温めますか? 』
『え!冷やしうどんですよ 』
お客とのやりとりを横目で見ていると
慣れていないのかおっちょこちょいな
ところがある
それはそれで好ましい
女性とは多少ドジであったり
簡単に言うと 隙があるほうが話しやすい
それに比べて …
ヤスヒコはチハルに対しては距離を感じている
『 はい大丈夫です 事務所にいます 』
ハキハキとした返事でチハルが返す
用事が済むと余計な話しなどせず電話を切る
事務員 事務的 真面目
そうチハルは隙がないのだ
ツンデレではなく ツン である
あまり笑顔を出さない
今まで会社でもミスもなく キッチリしている
そんなチハルがミスをした
困っていたチハルを思い出す
凛とした空気をまとい まったく隙のない
冷静な彼女だったが
この時ばかりは困惑を隠しきれず
うつむいて自分を責めていた
助けてあげたい
本能的なものなのだろうか
男が女を守る シンプルなことだ
あのとき
箱を売ろうと切り出した事に後悔はない
今まで 培ってきた 交渉術がある
師匠からのヒントを思い出し 1人で考えても
きりがないので チハルと考えることにした