ただいまって言うと




しんどくても張りのある声で




「おかえり!!」


「おつかれ!!」





いまはほとんど寝たきりになって





それでも一生懸命




「おかえりぃ、、」



「何もせんとごめんなぁ、、」 



「寝てばかりでごめんなぁ、、」




か細い声を振り絞る母





大丈夫


寝ててね





泣けて仕方ないから





そう返事するのが精一杯





ナンミョーもできなくなった母





仏壇に向かうこともなくなり





母から宗教が消えたら





穏やかで




優しくて




可愛い母




愛しい母





ガチガチの創価信者で




ずっと幹部で




だけど




「日顕撲滅なんか祈るのおかしい」



「信仰者やのに」




「基地とか埋め立てとか」



「沖縄の人が可哀想や」




そう言ってた母




わたしが創価をやめても




ちっとも批判しなかった




娘が退転者と言われても




気にしてなかった

  



「言いたい人には言わしときぃ」





公明党を批判して



地元幹部に意地悪されたと話したときも



「そんなんおかしい」



道で会ったら無視されたと話したら




「離れた人こそ大事にしてあげなあかんのに」





そう言ってた母




創価を守るために




いつも感情的になっていたけど





本当は良識ある





賢明な人





創価のことではケンカばかりして 





小さい頃は冷たくされて





でも今は





嫌なことを思い出すのが難しい





母が創価に没頭した理由はわかる





だけど最後は母らしく





誰からも愛される母




歳をとっても美しく




おしゃれで




自慢の母




ママ、死なないで




そう言ったら 




「なんで?死ぬわけないやん」




笑ってた。