母ほど可哀想な人がいるだろうか
他人の病気の回復を祈って
散々お題目を唱えてきたのに
仏壇にはいつも祈願の紙
「〇〇さんの病魔退散!」
「〇〇さんの健康回復!」
そうやって
数えきれないほどたくさんの人たちに
数えきれないほどたくさんの
お題目を唱えてきたというのに
自分が病気になったときは
誰にも祈ってもらえない
なぜならば
決して病気になったと言えないから
隠さないといけないから
病気になったら負けたことになるから
だから本人は自ら脳を破壊し
病気になったことを忘れている
可哀想な母
不憫でならない