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がん免疫療法はなにがすごい?

2010年に父親が胃がんで亡くなりました。それ以来がん免疫療法の記事をアップしていましたが2022年8月に私自身が膵臓がんステージ4を告知されました。

近赤外線光免疫療法と

近赤外線治療。

名前は似ているけど何が違うの?

という方に

記事を書きました。

 

 

 

近赤外線治療は

10年以上も前から使われています。

以下の症状ある方は

治療を受けることができます。

 

 

慢性炎症や

慢性疼痛、

関節炎

肩こりや腰痛

また

リウマチや筋肉痛

神経麻痺、

神経から来る排尿障害

また

皮膚炎、アトピーや口内炎です。

 

 

近赤外線を照射することのできる

「スーパーライザー」で、

患部に光をあてると

症状が和らぐことがあります。

 

原理は

近赤外線が

毛細血管の血流を増加させるため

痛みを和らげるだけではなく

組織の代謝を助けるなどの

効果もあります。

 

 

 

一方、

光免疫療法。

正式名称は

Near Infrared Photoimmunotherapy, NIR-PIT

つまり

近赤外線光免疫療法です。

 

確かにややこしい!

 

 

略して

光免疫療法では

近赤外線は

使いますが

対象は「ガン」のみです。

 

 

 

近赤外線は

皮膚や血管を通過できる波長

(約600 nmから1600 nm)なので

「生体の窓」とも呼ばれています。

 

近赤外線治療も

光免疫療法も

近赤外線の

この特性を利用しています。

この点は共通点です。

 

 

でも

ガンに

近赤外線を照射しても

なにも起こりません。

 

まとめると

近赤外線光免疫療法と

近赤外線治療の

共通点は

近赤外線を利用すること。

 

違いは

対象者

効果

メカニズムなどなど

まったく別物です。

 

 

 

ついに光免疫療法が

頭頚部ガン以外に

治験をすすめました。

 

食道がんです。

 

 

2018年8月23日に、

三木谷社長率いる
楽天アスピリアン社が
1億5000万ドルの資金を調達して

次の

治験の準備は整った。

思ったのですが、

それから

半年もかかってしまいました。

ようやくですね。

 

 

食道がんは男性に多い!

 

食道がんで

亡くなった俳優のかたも多いです。

岡田真澄さん、
藤田まことさん、
西村晃さん、
 

また

石塚運昇さんが
食道がんでなくなられました。
68歳でした。
(2018年8月17日)

以前

歌舞伎俳優の
中村勘三朗さん

 

漫画家の赤塚不二夫さんも

食道がんでした。

 

食道がんは

男性の方が女性の4倍多い。

 

また

タバコとお酒が危険因子です。

 

 

セツキシマブ、
パニツムマブ、
トラスツズマブなどの

抗ガン剤もありますが、

あまり効きがよくありません。

 

 

光免疫療法 食道がんの対象者は?

 

今回の治験の対象者も

食道がんで

すでに抗ガン剤治療などを受けて

効果がなかった方たちを対象としています。

 

つまり

末期ガンに近い方たちです。

 

 

 

光免疫療法の方法

効果も気になるところですが、

方法も気になります。

 

頭頚部ガンに対して

光免疫療法の肝である抗体には

EGFR抗体が使われています。

 

 

食道がんでも

EGFR抗体が使えます。

さらに

HER2という

別の抗体も使うことができます。

この両者を

同時につかうのかもしれないと思っています。

 

 

 

治験を受けるには

 

対象となる方は

主治医の先生

もしくは

 

国立がん研究センター東病院

 

治験

04-7130-7130

に連絡すれば

さらに情報があると思います。

 

 

 

 

ガンやリウマチなど

抗体医薬は

今いろんな分野で

ドンドンと開発され

承認されて

使われて始めています。

 

 

リウマチ治療薬だけでも

8種類も市場に出ています。

 

レミケード、

ヒュムラや

シムジアなどです。

 

 

抗体医薬は

非常に特異性が高く

効果も高いのが特徴です。

 

昨日の記事で言うと

抗体医薬は後者にあたり

細胞の分子を標的にしているため

切れ味が鋭い薬です。

 

 

ただ

抗体医薬にも

欠点があります。

主に2つあります。

 

1つ目は

抗体医薬自体をつくるために

「手間と時間」がかかるため

非常に高額になってきます。

 

昨年のノーベル賞に輝いた

チェックポイント阻害剤も

抗体医薬ですが

一回の投与で

約30万円。

それが

3週間に一回かかってきます。

 

これでも

2年前にくらべると

半額になったのです。

抗体医薬が増えるに従い

国の医療費の増加も避けられません。

 

 

2つ目の問題点は

抗体医薬を長く使い続けることが

できないことです。

 

これは金銭的なことからではなく

効果が長続きしないからです。

 

どういうことかというと

抗体に対する抗体ができ始めるからです。

 

 

 

これまでの薬剤に比べて

抗体医薬は大きさが比較的大きく

身体が異物として認識してしまいます。

 

 

花粉症や

ハウスダストアレルギーなどと同じ

感じです。

 

抗体が異物と認識されれば

身体はそれに対して抗体をつくります。

 

そして

体から排除しようとします。

抗体が抗体を認識し

排除するため

体の中での効果は

徐々になくなってきます。

 

また

抗体自体を異物と認識し始めると

アレルギー反応

起こることも当然あります。

 

 

 

 

 

これらの2つの問題点を克服するために

抗体医薬にこれまでの薬剤を

結合させたハイブリッド型医薬が

徐々にではじめました。

 

今後、

ますますハイブリッド型医薬が

増えてくると思います。

 

一方、

光免疫療法に使う抗体の場合にも

「抗体に対する抗体」問題は

おこるのですが、

効果を発揮するシステムが

抗体医薬とは根本的に違います。

 

そのため、

「抗体に対する抗体」問題は

ほとんど無視してもいいと思います。

ただ

ゼロではありません。

光免疫療法の副作用も

実際に報告されています。

 

完璧な治療というのはありえません。

 

 

 

 

 

光免疫療法がいよいよ

治験第三相に入りました。

 

光免疫療法の利点は

いろいろニュースになっていますが

そもそも

光免疫療法の治療法は

これまでの

がん治療法と何が違うの?

という方に読んでいただけると幸いです。

 

最初にこの記事をまとめるとこんな感じです。

 

 

 

 

現在の抗がん剤治療には

ターゲット(標的)によって

大きく2つあります。

 

 

 

1つ目は

細胞内の細胞骨格やDNA。

 

細胞骨格やDNAを破壊することで

細胞の分裂や増殖は止めてしまいます。

 

ただ

細胞骨格やDNAは正常な細胞も

活動を行う上で必須の構造なので

強い副作用を伴います。

 

一方

もう一つは

より小さな細胞分子に着目した治療法です。

 

こちらのほうは

ガン細胞特異的な分子が見つかれば

特異分子に対する薬剤を入れることで

ほぼ副作用なしです。

 

例えば

2012年に承認された非小細胞肺がんに対する

抗がん剤(クリゾチニブ)は

肺がん細胞だけが持っている

原因遺伝子に対するタンパク質(ALK融合タンパク質)を攻撃します。

 

その結果

副作用はほぼなしで

ガン細胞の縮小率を見ると

なんと61.2%もありました。

 

日本人だけに限ると

ガン細胞の縮小率は

93.3%と言う驚異的な効果率でした。

 

ただ

この原因遺伝子を持たない

肺がん患者さんには全く効果がありません。

 

このように分子を標的とした治療法は

非常に効果が高く

今後もいろいろな方法で

薬剤が出てくると思います。

光免疫療法は大きいカテゴリーでみれば

後者にあたります。

 

ただ、

光免疫療法の大きな特徴としては

標的分子を

破壊するのではなく

結合する目印として利用している点です。

 

逆にいえば

ガン細胞への破壊効果を

もたらすのは

「標的分子」ではありません。

 

光免疫療法では

名前の通り

光を利用して

物理的にガン細胞を破壊し、

さらに

身体の免疫系を利用して

ガン細胞を破壊します。