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がん免疫療法はなにがすごい?

2010年に父親が胃がんで亡くなりました。それ以来がん免疫療法の記事をアップしていましたが2022年8月に私自身が膵臓がんステージ4を告知されました。

ガンで3人に1人は亡くなっていますが

もっとも頻度の多い3大ガンは何でしょうか?

 

男の人では肺がん、胃がん、大腸がんです。

女性では大腸がん、肺がん、結腸ガンです。

 

 

男の人と女の人で

ガンの種類も似ていますが

さらに

この上位3つのガンには共通点があります。

 

いずれも

これらのガンは

外部の環境と

接しているんです。

 

 

簡単に言うと

人の体は

口から肛門まで

すべてつながっています。

 

これは当たり前だと言われますが

この口から肛門までは

体内であって

体外です。

 

直接

外の異物と接するといってもいいです。

 

 

つまり

身体は

ドカンやちくわ、ホースみたいな感じですね。

 

 

 

肺も同じで

外気が直接触れる場所です。

 

 

 

 

 

 

 

これらの外部の環境と

直接触れる場所は

それなりの強い刺激が

慢性的に起こっているから

ガンになりやすいのかもしれません。

 

 

 

ところで

光免疫療法には

2つの欠点がありました。

 

光免疫療法の2つの欠点(限界)

 

1つ目の欠点は

光の照射部位が限られていることでした。

 

 

そういう視点で

今の3大ガンを見ると

外部の環境に接していると言うことは

逆にいえば

外から光を当てやすいと言うこともいえます。

 

 

つまり

光を体の中にまで入れる必要がないため

光免疫療法の治験も

上位3つのガンには

比較的早くに行われる可能性は高いと思います。

 

問題は

これら3種類のガンに対する抗体が

どれだけ特異的につっくついてくれるかだけです。

 

 

 

 

光免疫療法の優れたメリットと

効果に関しては多く報道されています。

 

一方

光免疫療法には

もちろん欠点もありますが、

あまり報道されていません。

 

大きく欠点は2つあります。

 

メリットも

デメリット(欠点)も知って

自分にとって最善のがん治療を

将来、選んでいきましょう。

2人に1人が

がんと診断される時代ですから。

 

 

 

光免疫療法の欠点の

1つ目は

光の届く範囲が限られているために

光の届かない箇所にあるガンは

叩くことができません。

 

 

 

もう一つは

光免疫療法で使われている

抗体の種類が

現在EGFR抗体セツキシマブの

1種類しかありません。

つまり

抗体の種類の少なさです。

 

 

 

 

 

 

 

 

研究レベルでは

この他にもいろいろな

ガン特異抗体を使っているのですが

まだ実験段階です。

 

 

現在

頭頚部ガンと

食道がんに対して

光免疫療法の治験が

進行もしくは

進行予定ですが

どちらもEGFR抗体セツキシマブです。

 

ただ

食道がんに関しては

まだ詳細がよくわからないのですが

HER2という別の抗原に対する

抗体も併用するのかは気になるところです。

 

 

抗体を2種類使うことで

より多くのガン細胞を

認識することができるので

光を当てたときの効果は大きくなります。

 

 

 

 

まとめると

光免疫療法の欠点と言うのは

「光の照射範囲」

「使える抗体の少なさ」です。

 

 

逆にいえば

この2つの欠点が

改善されれば

光免疫療法は

いろいろなガン細胞に対して

早期から使うことが

できるようになると思います。

 

そうなれば

チェックポイント阻害剤のように

あらゆるガン種に対して

治験も進んでいくと思います。

 

 

 

 

光免疫療法の頭頚部ガンに対する

第3相臨床試験の場所が

だんだんとわかってきました。

 

光免疫療法の第2相の結果を踏まえて

第3相の治験をすると

2019年1月に

楽天アスピリアンセラピューティクスが

発表していました。

 

現在は

社名が変わって

楽天メディカル社です。

 

 

三木谷社長

 

光免疫療法開発者

小林久隆医師

楽天メディカル社より引用

 

 

しかし

どこで

するのかは

まだ?でした。

 

 

 

場所は

国立がん研究センター東病院に加えて

宮城県立がんセンター

久留米大学などで行われるようです。

 

対象者のかたで

近くにお住いの方は

先端医療をほぼ無償で

うけることができます。

 

 

ただ、

頭頚部ガンの方であっても

再発している方

他の抗ガン剤が

効かなくなった方が

対象の条件に入っていると思います。

 

少なくとも

第二相の時には

これらの条件がありました。

 

この点、

第三相では

どのような条件なのか

電話で

問い合わせるか

(国立がん研究センター東病院

治験

04-7130-7130)

もしくは

主治医に相談されるのがいいと思います。

 

 

別件です。

2019年3月11日号のアエラで

「光免疫療法」が特集されてます。

現状や今後のことなど

参考になると思います。

 

 

 

がんの治療には

ガンの種類に応じて

それぞれの標準治療があります。

 

 

 

標準治療とは

その分野の専門家が

有効性と安全性を確認した上で

確立されたしっかりとした治療方針です。

 

 

たとえば乳がンの場合。

 

ただ

「その当時」の標準治療です

 

 

どういうことかというと

がんの治療法は

どんどんと進んでいます。

 

その中には

もちろん証拠が少ないものや

危険を伴うものなども

多く含まれます。

 

しかし

最先端の治療でも

安全性が高く

今後、

標準治療に取り入れられるような

しっかりとした治療法も含まれています。

 

 

 

特に

がん免疫療法においては

これまで

とても怪しいとい印象がありました。

わたしの父親の場合にも

同じ印象を受けました。

 

 

しかし

チェックポイント阻害剤の開発により

証拠も

安全性も

以前とは比べものにならな程

確立されてきています。

 

 

実際に

ここ3-4年で

チェックポイント阻害剤の

臨床試験も多く広がりました。

 

 

 

光免疫療法についても

同じことが言えると思います。

 

 

 

 

 

証拠もしっかりしており

安全性や有効性も

確立しつつあります。

 

 

今後

ガンの標準治療には

がん免疫療法、

特に

光免疫療法と

チェックポイント阻害剤が

とり入れいれられていくと思います。

 

 

 

 

 

 

光免疫療法を開発した

国立衛生研究所(NIH)の

主任研究員、

小林久隆さんのグループが

新たな論文を発表しました

2019年3月です。

 

 

ざっくりと論文の内容を言うと

(ザックリとしか

論文を読んでいないためです。

すいません)

 

ごめんなさい

 

光免疫療法に

チェックポイント阻害剤を併用すると

効果がぐっとアップするよ

と言う内容です。

 

 

タイトル論文は以下でリンクできます。

詳細を知りたい方は以下リンク先です。

Host Immunity Following Near-Infrared Photoimmunotherapy Is 

 Enhanced with PD-1 Checkpoint Blockade 

 to Eradicate Established Antigenic Tumors.

 

近赤外光免疫療法後の宿主免疫が

チェックポイント阻害剤で増強する

Cancer Immunology Res.

March 2019
Volume 7, Issue 3
 

 

 

 

チェックポイント阻害剤で

光免疫療法の効果を

アップできると言うのは

2019年の初めにも

論文が出ていました。

 

 

がん細胞は

自分がガンだと知られてしまうと

身体の免疫系にアタックされてしまいます。

 

そこで

がん細胞は

このがん細胞の目印を

なんとか自分で隠し

そして

免疫系から逃れています。

 

 

ノーベル賞に輝いた

チェックポイント阻害により

ガンの目印を

また露出することができます。

 

すると

また身体の免疫系は

「こんなところにガンがいたのか」と再認識し

アタックを再び始めると言う仕組みです。

 

ガン細胞と身体との攻防が

光を照射した後、

刻一刻と行われているんですね。

 

それと同時に

免疫系が

ガン細胞を記憶しているのも

私、個人的には

驚きです。

 

最近

忘れっぽいため、

もし私が免疫細胞だったら

ガン細胞の目印が

再び現れても

 

 

って感じですね。

 

 

光免疫療法の

一番のすごい点は

効果なのですが

この効果を生み出している

発想が

実はすごいのです。

 

 

従来の抗ガン治療と違う点は?

 

これまでのがん治療と

光免疫療法の

1番の違いは

「抗体の使い方」です。

 

 

抗体は

今まである物質(抗原)と

結合することによって

その抗原を排除する

もしくは

機能を失わせるために使われていました。

 

 

しかし

光免疫療法での

抗体の使い方は

船で例えると

「くさび」みたいな役割です。

 

つまり

抗原のある場所(細胞)に

結合しさえすればいいのです。

 

その後は

光を照射すると

光感受体である物質が

細胞膜を破壊すると言う流れになります。

 

 

 

具体的には

非小細胞肺がんの

30から40%に

EGFR遺伝子の変異が認められます。

 

この変異のために

細胞内で

常に

EGFR受容体が

活性化状態になってしまい、

細胞がドンドンと増えていくのです。

 

 

これまでの

抗ガン剤(酵素阻害剤)では

EGFRに結合して

この活性を抑えるという手法でした。

 

また

EGFRに対する

抗体

たとえば

ペムブロリズマブ

(商品名 キイトルーダ)

を使って

活性をなくすことが目的でした。

 

 

 

一方、

光免疫療法では

EGFRに結合しさえすれば

抗体の役目は終わりです。

 

光免疫療法と

これまでの抗ガン剤治療との

1番の違いは

この抗体の役割に集約されます。

 

 

 

 

楽天アスピリアンジャパン株式会社が、

社名を変え、

楽天メディカルジャパン株式会社になりました。

 

 

 

社名が変わっても

『ガン克服。生きる。』という

私たちのミッションは変わりません。

会長兼最高経営責任者である

三木谷 浩史さんは、

言っています。

 

かっこいいです。

一度言ってみたい。

ニコニコ

 

ところで

光免疫療法に使われている

セツキシマブと

IRDye 700DX(R) の複合体が

一番大切なところです。

 

セツキシマブを

別の抗体に入れ替えれば

あらゆるガン細胞にくっつくことができます。

 

実際に

セツキシマブは

頭頸部がん以外でも

今回、新たに治験が始まる

食道がんにも結合します。

 

さらに

肺がん、

結腸がん、

すい臓がんなど

でも

使うことができます。

 

 

 

 

頭頚部ガンと

食道がんの

次に治験に入るのは

肺がん、

結腸がん、

すい臓がんあたりでしょう。

 

さらにですよ、

ガン細胞の「異常に代謝が激しい」

という性質を逆に利用することができます。

 

つまり

セツキシマブのくっつく表面タンパク質自体

(上皮成長因子受容体(EGFR) を

ガン細胞に強制的に発現させてしまえば

理論上は

セツキシマブは

あらゆる

ガン細胞に対して

くっつくことができます。

 

この逆転の発想は

たしか日本の研究室

岡山大学で

すでに報告されていました。

(記憶が不確か)

 

ドンドンと

光免疫療法も進歩しているってことです。

 

堀ちえみさんの

口腔がん

舌癌にも

早く

光免疫療法が届きますように。

光自体は照射しやすい場所ですから。

 

 

 

 

 

 

 

 

T細胞は免疫細胞の1種で

ガン免疫療法の結果を左右する

とても大切な細胞です。

 

このT細胞に

人工的に抗原レセプターを発現させて

治療に用いる

「カート療法」が最近進んできています。

 

カート療法は

特に

浮遊するガン細胞に対して効果的です。

 

一方、

固形ガンに対しては

効果がいまいちでした。

 

不思議なのですが、

カート療法の最中に

T細胞自体の活性が

ドンドンとなくなっていくからです。

 

 

 

今回

このメカニズムの一端が解明されました。

https://www.nature.com/articles/s41586-019-0985-x#Abs1

 

細胞の核内にある受容体の1つ

NR4Aグループが関わっていました。

 

細胞の核内とは

緑矢印の場所です。

 

 

 

 

そこで

NR4Aグループ タンパク質を消したT細胞を準備したところ

ガン細胞への攻撃能力がそのまま持続されました。

 

つまり

将来的に

この NR4Aグループ タンパク質を

ブロックするような治療を併用することで

効果を持続させることができるのです。

 

NR4Aグループ タンパク質は

T細胞の核内で

チェックポイント阻害に関連する

役割を果たしているのかもしれません。

 

 

ナチュラルキラー細胞を

外から身体に入れるという

プロジェクトが

すでに

臨床試験の第1相として

始まっていました。

 

知りませんでした。

 

iPS技術を生かした

ガン免疫療法の会社のサイトです。

 

 

 

 

ナチュラルキラーといっても

ナチュラル

(自然)に

身体にたくさんいるわけではありません。

 

血液成分でみると

末梢血のたったの

0.001%から0.01%程度です。

 

ナチュラルキラー細胞は

リンパ球のなかの一種です。

 

リンパ球は

末梢血の

約1%から5%の割合で存在し

ウィルス感染や炎症などによって

その割合が変化します。

 

当然

ナチュラルキラー細胞も

割合が変化します。

 

それでも

0.1%に満たない存在です。

 

 

左が通常のナチュラルキラー細胞。

右は活性化したナチュラルキラー細胞です。

 

矢印は

細胞内の小器官ミトコンドリアを示しています。

 

逆に

ナチュラルキラー細胞が多すぎると

なにか不都合があるのかもしれません。

このあたりは

免疫学が進歩しているとはいえ

まだまだ未知の領域です。

 

 

 

光免疫療法の技術自体は

単独でも

素晴らしいのですが、

限界があります。

 

これまで育んできた

「がん治療法」を

組み合わせる時期に来ています。

 

 

免疫チェックポイント阻害剤、

抗がん剤や

今回のiPS由来のナチュラルキラー細胞など

それぞれ

光免疫療法と相反するものではありません。

 

むしろ

お互いの利点を組み合わせていけば

より効果的で

素晴らしいがん治療法になってくると思います。

 

 

 

自身の免疫力は

強いほうがいい!

 

特に

ガン免疫療法を選択する際には

免疫力は大切です。

 

 

ただ、

抗ガン治療を受けたため

今は体力がきついです。

 

 

また

 

手術直後で

免疫力が低下した状況ですが、

光免疫療法をうけたい

という

ケースも多くなってくると思います。

 

また

高齢になると

体力的に

免疫療法に自信がないという方も

多いと思います。

 

 

 

現在、

免疫力が弱くても

外から免疫力の助っ人を補充してあげる

という方法が開発されつつあります。

 

 

 

切り札はiPS細胞

 

確かに

光免疫療法はじめ

ガン免疫療法では

これまでは

免疫力が「肝」でした。

 

免疫力の中でも

特に

ガン細胞に対して

攻撃を仕掛ける

ナチュラルキラー細胞と言う免疫細胞がいます。

 

このナチュラルキラー細胞を

外から補充するのです。

 

しかし

一般的には

外から細胞を補充すると

「異物」として認識されてしまい

すぐに排除されてしまいます。

 

 

 

そこで

患者さんの血液から

iPS技術で細胞を初期化します。

 

この辺は

ノーベル賞の山中先生の技術の応用です。

 

そして

iPS細胞から

ナチュラルキラー細胞へと分化させます。

 

そして

元の患者さんの体の中に戻すと

この細胞は

元々

自分の細胞ですから

異物とは認識されません。

 

でも

実際に

体の中でナチュラルキラー細胞が

抗ガン作用を示すのでしょうか?

 

 

マウスですが

実際に

iPS細胞から作ったナチュラルキラー細胞が

抗腫瘍効果を発揮することが

2016年確認されました。

 

 

理研サイト

 

今後

より確かな技術になれば

免疫力が弱った方でも

光免疫療法が有効になってきます。