がんセンターの1階
採血の場所は朝から人でいっぱいです。
200人ほどの人が待っています。
私もその中に入りました。
番号呼ばれるまでの間は
横のカフェで待機しています。
ここのカフェは
ソーセージとチーズの焼いた香りが
とても幸せな気分になるのです。

20分ほど待つと番号が呼ばれました。
今日の看護師さんはとても上手です。
全く痛くありませんでした。
感謝です。
また先程のカフェに戻り
ブザーが鳴るまで
妻と今日の決断について最終確認を行いました。
9時30分そろそろ呼ばれる頃です。
ブルブルブルブルブルブルと
ブザーが鳴りました.
「2階Bー2に来てください」
との連絡です。
診察室に入ると主治医のもとには
すでに血液検査結果が出ていました。
まず血液検査結果について
「炎症マーカーが下がってますね。」
うれしい。

「抗がん剤の影響で
血球系の数は下がってますが
あまり気にしないでください。」とのことです。
「体調はどうですか?」と聞かれました
いよいよです。
以前の1回目の抗がん剤治療で
副作用はたくさんあるのですが
痛みがなくなったこと。
現在
体重が元に戻っていないため
体力がない事を話し
そのまま本題に入りました。
「実は相談がありまして…
今日の2回目の抗がん剤治療を
延期したいのですが…。」
穏やかな主治医の顔が
厳しい表情に変化しました。
ついに言ってしまった。
もう後戻りはできません。

試験のプロトコールから外れて
ご迷惑をおかけする事
抗がん剤による免疫系へ
のダメージが大きい事を話をしました。
その後、主治医は
2回目の抗がん剤治療延期するなんて
あり得ません。
少なくとも3クールは皆さん行っています。
とのこと。
重い沈黙が1分ほどありました。
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主治医は
私と妻の顔を交互に見ていますしたが
私は主治医の顔をじっと見ていました。
妻がどのような表情をしていたのかは
分りません。
後で
車の中で聞いたのですが
妻は主治医と目が合うたびに
私の方へ視線を送っていたそうです。
重い沈黙の後
主治医
「何十年診察をしてきましたが
あなたのような患者さんは初めてです。」
「エッ」心の中で驚きました。
みんな個人個人体調が違うはずなのに
標準治療に従って
治療を進めているんだ・・・。
医療を提供する側に立つと
これは当然のことかもしれませんが、
医療受ける側からすると
個人個人で体調や
抗がん剤治療効果も変わるので
柔軟に対応してほしい。
私の考えは間違っているのでしょうか?
10年先の抗がん剤治療は
個人の体調に合わせた
治療に変わっているのでしょうか?
このような思いが
ドッと頭の中で湧いてきました。
数秒後、
主治医から
「あなたがもう決断しているなら
時間の無駄になりますので
話し合いは終りにしましょう。」
「ただし
標準治療じゃないですから
お分かりかもしれませんが
リスクは非常に高いですよ。」
と告げられました。
私は一言
「はい」とだけ答えました。
さらに
「次回の血液検査と
造影CDの予定は
あなたが決めてください。」
と言われました。
最悪の場合
主治医から追い出されるかと
思っていたので
この言葉には少し救われました。
血液検査が10月11日
造影CDは
その次の週になることになりました。
その後
以前受けていた
もう一つの臨床試験(また後日記事にします)
リキッドバイオプシーの結果を聞き
結果を印刷してもらいました。
重苦しい診察室を後にして、
「今回の決断でよかったんやな?」と
自分の心に確認するように
妻にも尋ねました。
妻曰く
「良かったんちゃう
〇〇(私の名前)が決めたことやし。」
私も妻も
少し
こころと足どり軽く
外来抗がん剤治療室の横を素通りし
車に乗り込んで帰宅しました。
帰宅後
やはり疲れていたのか
体がだるく
30分ほど昼寝をしました。
がんとの本当の戦い(できれば寛解)は
いよいよこれからです。
(つづく)