「じゃあねー!」
暗くなり始めた十字路で友人と別れ、家路につく。
部活帰りで汗臭く、髪もボサボサ。 あまり人に見られたくないので、帰りはいつも急ぎ足だ。
古い街頭の角を右に曲がり、ゴミ捨て場の前を通って少し行って、また右に。
いつも通りの帰り道をスタスタと歩く。
ここを曲がれば、もうすぐ家に着く・・・・・・はずだった。
曲がり角を曲がった瞬間、突然の悲鳴と共に1人の男性がこちらにふっとばされてきたのだ。
「!?」
「いってぇ・・・・・・」
慌てて避けて私はどうもなかったのだが、彼は頭から道路に落ちてうずくまっている。
え、なにこれ、喧嘩?
見れば、すこし前にはいかにもヤンキーですって感じの高校生が3人。
頭は黄色やら赤色やらに染められ、Tシャツの上にボロボロの学ランをはおっている。
さっきは気づかなかったが、ふっとばされたほうも高校生のようだ。しかも金髪。こいつもヤンキー?
というか、制服。 この人達、私と同じ高校?
「調子こいてんなっつってんだろうが、おめえみたいなのがいるから俺等はナメられんだよ!!」
怒鳴り散らしながら近づいてくるヤンキー達。
金髪もフラフラと立ち上がり、応戦しようと前に出る。
なに、この状況。 わたしどうすればいいの?
「調子こくなとか、お前らみたいなおもしろくない遊びしてる奴に言われたくないね。
何にもしてないヤツを馬鹿にして笑うとかさー、幼稚園児の行いだっての」
あたふたしている間にも、金髪はどんどん前へと歩み寄っていく。
よく見れば、後頭部から少し出血しているみたいだ。
大丈夫なのだろうか。
って、そんなことの前に自分の心配をしろよ私!
なんて考えていた直後だった。
”バタバタバタッ”
3人が突然、次々に倒れた。
「え?」
いきなりのことに、唖然としてしまう。
さっきまであんなにうるさかったのに、ぴくりともうごかないのだ。
立っているのは金髪だけ。
あの一瞬で、3人全員を・・・・・?
どうしよう、なんか、やばそう。
わたしもあんな風に殴られるのかな?
と思った瞬間。
「もっと粋ろうぜ。」
金髪がぽつりと、どこか悲しそうに言い放った。
「え?」
意味が分からなくて聞き返したけど、
彼はくるりと踵をかえし、わたしが来た方へとあるいていってしまった。
なんだったんだろう。

