某テレビ局や広告代理店があることから、流行に敏感な人が行きかう東京・赤坂。これまで多くの店が出来ては消えていった。そんなトレンドの最先端を行く街で、いち早く本格的なピッツァ焼き石窯を導入して話題を集めたのが、もうすぐ20年目を迎える老舗ピッツェリア『エッセドゥエ』だ。

 

 もともとは1階がピッツァ専門店(ピッツェリア)、地下一階がイタリア居酒屋(トラットリア)だったが、数年前垣根をなくして融合。マルゲリータなどのピッツァや、アクアパッツァなどイタリア料理が定番人気の店だが、スイーツ騎士が訪れたのは当然それらが目的ではない。

 

 イタリアデザートの定番であるアッフォガートやティラミス、ジェラートはもちろん、特に人気があるのが《濃厚クリームプリン》。プリンだけを食べにお客も多いというだけに、店に入る前から胸が高鳴りっぱなしだ!

 

 

 単体ではなく、ケーキのようにホール状に焼いたものからピースを切出しお皿の上へ。イタリアの伝統菓子で《クレーマカラメラータ》という。

 

 このプリンのレシピは現在の地主(じぬし)シェフが、先代のシェフから引き継いだ基本的なもの。テーマは《柔らかくて、立つ限界》。しっかり堅そうに⾒えるものの、一口食べてみるとその食感は驚くほどなめらかで軽い。数多くのプリンを食してきたスイーツ騎士でも、初めて体験するギャップ感だ。

 

 「ギャップのある男性が好き」と語る女性は多いが、スイーツの世界でもギャップというのは人気の秘訣なのかもしれない。

 

 

 そんなギャップを生み出すプリンの材料は、卵⻩、砂糖、生クリーム、牛乳、バニラビーンズと非常にシンプルなもの。しかしシンプルゆえごまかしが効かず、配合と焼きなど調理方法で味の良し悪しが決まるため、調理がとても難しいそうだ。

 

 プリンの作り手として地主シェフいわく「正直、今でもゴールが⾒えていない。こうすればこうなるといった絶対の確証がない。満点が無い。自分が思う最高の高みを目指して日々苦心している」と。

その心境はまるでトップアスリートかのようだ。

 

 現状に満足せず、常に上を目指し全身全霊でスイーツを作りつづける……。シンプルな材料から、素晴らしいギャップが生み出せる秘密は、そんな作り手の想いというスパイスなのかもしれない。

 

 

【エッセドゥエ】

住所/東京都港区赤坂6-11-13 Fabricビル1F・B1F

電話/03-3585-2232

営業時間/11時30分~15時、18時~23時、定休日なし

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