校閲の会社が経営するカフェが併設された新感覚の書店『かもめブックス』がオープンするなど、新しいタイプの店舗が増え、若者も増加している神楽坂。そんな歴史と文化の街に江戸末期からある老舗が《紀の善》だ

 

 

 開業当初は寿司店だったが、昭和23年に甘味処に。店名の由来は「紀州藩の善兵衛」が始めたから。お持ち帰り、通販も行っているが、足を運べる人なら店内で食べるのをお薦めしたい! というのも、イートインのお客には、お茶請けとしてお茶と豚の形をしたおせんべいが提供されるからだ。この豚のおせんべいは山形県産のはえぬき米にブルターニュ産の塩をまぶしたもので、これを食べるだけでも来店する価値があるといっても過言ではないっ‼

 

 

 代表メニューは《あんみつ》、田舎(つぶあん)・御膳(こしあん)が選べる《しるこ》、そして今回のお目当てである《抹茶ババロア》。この抹茶ババロア、25年前にとある洋菓子店で抹茶ケーキを現在の女将が口にした際、ライバル心がメラメラと燃え、「これより美味しい抹茶のお菓子を作ってみせる」と思ったことが誕生のキッカケ。女将のスイーツにかける熱き想いは、このスイーツ騎士以上かもしれない。

 

 

 

 抹茶は熱に弱いため、キレイな緑色を出すには繊細な温度調節が不可欠だというが……この美しい緑色をごらんあれっ‼

 

 

 

 

 大草原を彷彿とさせる美しい緑のババロアの上に添えられているのは、雲のように白く濃厚な生クリーム。なんと脂肪率は48%で、植物性は完全不使用というから、数々の甘味を食してきたスイーツ騎士も驚きっ‼

 

 そんな和菓子の概念を見事なまでに覆した老舗店のチャレンジは評判を呼び、今ではこの店のいちばんの人気メニューとなっているというのも納得だ。

 

 春には苺あんみつ、夏はかき氷や白玉ぜんざい、秋冬は栗あんみつうや栗ぜんざい……と、四季折々のメニューを提供しているのも、同店の売り。季節の香りと共に味わいたい絶品メニューばかりだ。

 

【紀の善】

住所/東京都新宿区神楽坂1−12

電話/03-3269-2920

営業時間/火~土曜:11:00~20:00、日祭日:11:30~18:00。月曜定休(祝日は営業、火曜が休み)

公式HP/http://www.kinozen.co.jp/

 ※ブログ記事の情報は公開当時のものです。