招き猫発祥の寺で知られる豪徳寺。海外のガイドブックでも紹介され、外国人旅行客も増えているようだ。豪徳寺駅からそんな豪徳寺へ抜ける商店街の途中にあるのが『焼き芋専門店ふじ』

 

 

 店内に簡単なイートインスペースはあるものの、基本的には持ち帰り店ということもあり、この季節に客はほとんどいない。そりゃそうだ、焼き芋といえば秋か冬に食べるものというのが常識だからだ。

 

 しかし! この季節だからこそ、この店を紹介したい。それは何故か? 1年中焼き芋を提供してくれる店がどれほどあるか…?多いわけが…ない!夏に焼き芋を販売している店は貴重!貴重なのである!

 

 そんなこともあって、夏でも焼き芋マニアがこの店にはやってくる。しかし、秋や冬などピーク時には500本ほど売り上げるというが、夏にはこの1/10程度。少ない時には10本しか売れないという。それでも全国の焼き芋ファンのため、年中営業を続ける店長の漢気に応えないとは、スイーツ騎士の名が汚れるというもの! 

 

だが、焼き芋専門店が少ない理由もある。それは提供できる芋の種類が極端に減るということ。秋から冬にかけては8種類ほど販売されているものの、夏に販売されているのは基本的に鹿児島産の《紅はるか》(S250円、M350円、L500円)のみ。

 

 

 

 鹿児島のさつまいもといえば《安納芋》が有名だが、この紅はるかは安納芋より甘い。一口食べると口の中が‟甘さの宝石箱や~!”状態になるため、どんな険しい表情をしている人でも思わずニヤけてしまうだろう。

 

プロである店長も「甘いから、何もつけずに味わってほしい」というほどだから、男なら黙って素材の良さを堪能すべし!

 

 そして、この夏プッシュしているというのが紅はるかを使った《冷やし焼き芋》。さつまいもは冷やしたほうが焼きたてより甘くなるというから、ぜひ一度その究極の甘さを堪能してほしい。

 

また《焼き芋アイス》も販売しているので、夏に焼き芋はちょっと……という同行者には、そちらを薦めてみるのもいいだろう。

 

 この季節には残念ながら販売していないが、店長のお薦めを聞くと《ハロウィンスイート》(500円)を挙げてくれた。数年前に誕生したばかりの新品種で、あまり世に出回っていないため、一部では《幻の焼き芋》と呼ばれることも。

 

 

写真を見ればわかる通り、オレンジ色に近い濃い色をしている。その理由はβカロテンの多さ! 美容にも効果的のため、女性客にピッタリだ。また見た目同様、カボチャに近い味をしていて、まるでカボチャの煮物を食べている気分だ。

 

 人気アイドルの番組で紹介された際、焼き芋にマヨネーズなどをトッピングして食べていたが、残念ながら店内でトッピングは販売、用意はされていない。番組のようにトッピングしたものを味わいたい……という人は持参しよう。

 

 こちらの店では店内で販売しているものと同じ品種の生芋も販売している。店内で食べる時間はない。でも焼きたてを食べたいから、生芋を購入して自宅で焼きたいという人のために店長にお薦めの焼き方を聞いた。

 

「オーブントースターで30~40分焼くだけ」

 

 と、とてもシンプルなものだった。アルミホイルなどを巻いて焼くより、そのまま焼いたほうが美味しくなるというから、目から鱗!

 

 ちなみに「焼いたものを買って、温め直すほうがもっと美味しい。自宅でサラダなどにしたいときも焼いたものを使ったほうが、簡単で美味しい」とのことなので、初心者なら焼き芋を買ったほうが無難だろう。

 

 休みは不定休で、さらに夏はあまり売れないこともあり、秋~冬に比べて休みが増えるというので注意。以前は天気が悪い日などに急に休むこともあったそうだが、最近は前日までに公式HPで休む日を書いているそうなので、店に行く前に必ずHPで確認しよう。

 

【焼き芋専門店ふじ】

住所/東京都世田谷区豪徳寺1-7-11

電話/03-6413-7215

営業時間/10:00~19:00。不定休。

公式HP/http://f-yakiimo.com/

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