点滴が始まった頃





ポールがやってきた





先生と話しして





点滴終わったら薬を処方するから





入院じゃなくて帰ってもいいかも、と。





だから今から俺がホテルに行ってチェックインして





キーを持ってくるから安心して





って言ってくれた。





涙が出そうだった





こんなことあるんだ?!





こんな優しい人々に触れて





不幸中の幸いとはこのことだ





心の温かい人と出会えた





私はクレジットカードを渡した





そしてまた眠りに就いた





少ししてポールが戻ってきて





カードと明細とホテルのキーカードを





バッグにしまってくれた。





ベラと待合室にいるから安心してね





って。





ありがとうって何回言っても足りなかった





2人とも仕事中に抜けて来てくれてる





さっき出逢ったばかりの





口を開けば点滴、の日本人の為に





なぜここまでしてくれるんだろう






こんなこと、空港のマニュアルにはないはず





ぜんぶ心で動いてくれてる。





感謝してもしきれない。





そんな思いでまた眠りに就いた





目が覚めたら点滴が終わっていた





みんなが病室にいた





ふたたび検査をした





起き上がったけど





なんだかスッキリしていた






やはり点滴は最強なのだ






検査結果でokが出たので






薬の説明をされた






専門用語が難しくて良く分からなかった






支払いについてはキナ(現地の通貨)で言われても





あまりピンとこず、カードで支払ったから





明細がくるまではっきり分からないんだけど





たぶん、6万円くらいだと思う










みんなに見送られ





病室を後にした頃には





待合室はにぎわってた





ベラがぜんぶ荷物を持ってくれた





ってかね?





通常、トランジットの空港では





預け荷物は受け取らず





荷物だけは目的地まで直行するじゃない?





だから私、救急車乗るときに言ったの





私のスーツケースがケアンズに行っちゃう!!って。





そしたらちゃんと、連携プレーしてくれて





私のスーツケースはケアンズに行かず





救急車乗る時に間に合ったの。





すごくない?






ありがたすぎる。





みんな優しいだけじゃなくて






仕事も早いっていう。。。






すると、なんと病院の前で





ポールが車で待っててくれた!





わざわざ車を持ってきてくれていたのだ





ちなみにポールとベラは同じ空港内で働いているけど





この日初めてしゃべったみたい。





ベラと一緒に車に乗り込んだら





すごく蒸し暑かった





するとポールが





「ごめん、昨日クーラー壊れた∑(・∀・) 」





って日本語で言ってきた 笑笑





みんなで思わず笑っちゃって





あ!笑ってる!





わたし笑えるまで元気になってる!





って嬉しくなった





もちろん、点滴が大きかったし





お尻の注射で吐き気は止まったけど





みんなが心配してくれて





心から優しくしてくれて





愛をたくさんもらえたお陰だと思った





そしてホテルに向かうまでの車中





これ現実なのかな!?





って冷静になるとやはり困惑したり…





友達のこと心配になったり…





でもひとまず元気になれて良かった






みんな本当にありがとうーって叫びたかった







でも実は





わたしにとっての






本当の恐怖はここからだった





つづく