10月月初に、映画『急に具合が悪くなる』広島県内最後の公開に単独で行ってきました。
上映直前まで、行くかどうか悩みに悩んだ・・・というのも、前月下旬からの忙しい日々が一段落し、やっと家でゆっくりできる、のんびり考えを整理するを取りたい、とも思っていたから。
けれど、何人かのブログでこの映画について言及されているのを見て、ずっと気になっていたのです。
とりわけ、私が講義を受講中の教育者、山田ズーニーは、ズーニーさんが知人の映像監督に「見終わったあとに自分が変化した映画」と紹介され、骨折している足を引きずりながら観に行ったそうで。
映画のレビューを見ないようにしていたので詳細はわからないけど、
どうやらあのズーニーさんもすごく感動したらしい!
それはぜひ観たい!
・・・という興味が抑えられず、やりかけのことを色々放り出して観に行くことに決めました。
そして観に行った感想としては、やはり行ってよかった。
個人的には「考えさせられた」「勉強になった」が感動に勝る内容でした。
まず一つ勉強になったのが、認知症患者の特徴や「ユマニチュード」というケアの手法を知ることができたこと。
映画内の大きなテーマであり、主人公のマリーが力を入れていたユマニチュードとは、「あなたは私にとって大切な存在」と認知症患者にしっかりと伝えるためのケア技術らしい。
ユマニチュードの4つの柱(見る・話す・触れる・立つ)を介護現場で行うことで、認知症患者がもっている力を奪わず、ケアの過程で受ける抵抗を減らすこともできるんですって。
私は普段認知症の方に接する機会がないので、こういった新しい理論を用語も含めて知ることは重要です。というのも、用語を取っ掛かりに、また自分で新しく調べるなどできるから。
「認知症の人が受け取りやすいように、近くで話したほうがなんとなくいい」とは道徳的な理由かと思っていたけど、「なぜそれが必要か」「どんな効果があるか」も知ることができ、とっても学びが深かったです。
「自分や家族が歳を取ったら、ぜひユマニチュードを実践している施設にお世話になりたい!」とも思うようになりました!
もう一つ、私が映画から受け取った主張は、他者にオープンであることから良い作用が生まれるということ。
それは映画内に出てくる複数の関係から見て取れました。
主人公であるマリー=ルーと森崎真理の出会いもそうで、2人は出会うことで奇跡とも言えるほどにお互いに良い影響を与えます。
フランス人のマリーは、介護施設で管理職をやっているが、自らの理想とする介護を施設で実践できずバーンアウト寸前。
真理は、国際的な演劇を演出しつつも、乳がんを抱え、死に怯えている。
八方塞がりの状況にありながらも、マリーは街で見かけた自閉症の迷子の青年を放っておけず、青年を探しに来た真理と出会うことになります。
2人はさまざまな話をし、友情を育む過程で、新しい気づきを得ていく。
マリーは自分の置かれている現状が「構造的な問題」であるとの新しい視点を得、真理は病状の進む中でも「世界は素晴らしい」と希望を得た。
もしも2人のうちのどちらかが、「今そんな余裕ないから」と、目に止まったことをスルーしていたら?
新しいものを受け入れる準備がなかったら?
たとえ話す機会があったとしても、会話は深まること無く早々に終わり、
昨日と変わらない悩みを抱えたままだったんじゃないかな。
2人が自分のできる限りで他者に優しく接し、また社会から作用を受ける姿勢があったからこそ、希望を見いだすことができたのでしょう。
作中では他にも、人が社会とつながることの大切さが示されていました。
施設にいる認知症患者たちが、認知症カフェで給仕をし、自然と立つ訓練をする。
介護施設を地域の人々に知ってもらう機会を設け、ボランティアを募る。
すべての試みがうまくいくとは限らない・・・
けど、人は一人では生きることも、大きな問題を乗り越えることもできない。
だから、「あなたを尊重する」「話を聞く準備があるよ」というオープンな姿勢で、お互いに助け合おうよ。
そんな熱いメッセージを映画から受け取りました。
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ちなみに、
今回10年以上ぶりに広島八丁座で鑑賞したのですが、席が広くて本当によかった!
木肘のソファ椅子でしたが幅もしっかりあるので、靴を脱いで姿勢を変えながらゆったりと見ることができました。
(隣の劇場のドンパチする音が聞こえるのは、ご愛嬌)
併設カフェはお値段も良心的なのが特徴なので、今度ぜひおにぎりとか持ち込んでみたい![]()
個人的には4列目はちょっと近すぎたので、今度はもう少し後ろがいいかな。
ぜひぜひまた訪れたい映画館でした!



