お母さんの形見とお別れ | 江戸川 愛美 memo

江戸川 愛美 memo

思ったこと感じたことをアウトプットするところ(∩´∀`∩)

今の家に越してくるまで、
私はお母さんとお兄ちゃんと3人暮らしだった。
2009年にお母さんがくも膜下出血で要介護5になり、
病院・介護施設を経て2011年4月、
元気に一人で歩けるようになって家に帰って来た。

その後色々な事情があり、
2011年12月
家族3人が別々に暮らすことになった。
家電は概ね私がわがままを言って引き継ぎ、
先ず兄が引っ越して、
次に私が引っ越して、
その翌日、お母さんは心臓麻痺で他界した。

私がお母さんから譲り受けた家電は、
冷蔵庫・洗濯機・炊飯器・掃除機・電子ピアノ。
どれももう実家で長く使っていた物で、
最近、洗濯機に時々エラー表示が出るようになり
メンテナンスをしてもらおうとメーカーのサイトで検索した。
私の洗濯機は
●SANYO ドラム式洗濯乾燥機 品番:AWD-A845Z
「修理時における作業不備が原因の発火事故が1件発生」
そう記載があり、リコールの対象になっていた。
http://panasonic.co.jp/sanyo/info/products_safety/090918-01.html
実際に問い合わせをしたところ、
修理はできないので買取になるとの説明を受けた。

私が引越しをする少し前
私の為にお母さんが家電をきれいに拭いてくれてて、
洗濯機の前で目に涙を溜めながらこう話した。
「この洗濯機タイシ(兄)が買ってくれたんだ。
 色が選べるから、おふくろ何色がいい?って訊かれて
 赤がいいって言って買ってもらったんだ。」
これまで子供に迷惑を掛けたと思って我慢してたけど、
お母さんは家族が離れることをすごく悲しんでいたし、
思い出の家電を手放すことは
より一層その気持を増幅させたと思う。
私達家族の事情があっての結果だったけど、
今でもその時のお母さんの声を思い出して
すごく可哀想なことをしてしまったと後悔してる。

その洗濯機と今日お別れした。
回収に来て下さったメーカーの方2人が
とても感じの良く優しい人で良かった。
このリコールに対して
価格比較サイトではメーカー批判もあったけど、
我が家では何の問題もなく
沢山沢山お洗濯物をきれいにしてもらってた。
約10年ずっとお世話になっていたし
とっても大切な洗濯機だった。
私個人としては、この洗濯機との巡り合わせを
メーカーさんに心から感謝しています。
私達家族のとても大きな大きな思い出でした。
大好きだった真っ赤な洗濯機。
今まで本当にどうもありがとう。

部屋から運び出されて、
トラックに乗って、
信号を曲がって見えなくなった。
お母さんが亡くなった時期以来、
こんなに泣いたことなかった。
お母さん、私が洗濯機持って行っちゃってごめんね。
寂しい思いをさせてごめんね。
辛かったのに「持って行っていいよ。」って
優しく言ってくれてありがとう。
ありがとう、お母さん。

 

 

 

 

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