なぁ、もしさぁ別れたいって言ったらどーする?
確かこんな始まりのメール。
心花のこと今でも大好きなんやけど
なんかもう
お前のわがままに振り回されるの嫌やねんか。
それに続く文章には心花に対する不満の数々。
そして最後に
ただまだお前のことが好きで
夜ずっと考えてたんやんか。
どーしよ。
すぐに電話した。
譲二が電話に出る。
「・・・・・・」
声が出ない。
何か言わないと。
「・・・どうしたい?」
「・・・や」
「え?」
「嫌や」
声がかすれ裏返る。
目が潤んできた。
受話器の奥で微かに聞こえた溜息。
「泣くなよ」
「泣いてない」
「とりあえずさぁ、電話じゃ長くなるし明日あいてる?」
「うん」
「じゃあ、明日」
「うん」
電話切った後すぐにメールした。
「明日何時に(学校)終わる?」
「2時には」
「じゃぁ心花、
先に終わるけど待ち合わせどこがいい?」
「○○駅でいいよ。」
「○○よりは××のほうが譲二近いんちゃう?
心花時間余ってるし(笑)どこ行くかにもよるけど。」
「いいよ、別に。」
「ん~わかった☆もぉ寝るん??」
「寝る。」
「わかった・・・おやすみなさぃ☆」
明るく振舞った。
そして
泣いた。
とりあえず別れたくない。
まだ心花のこと好きってことは
可能性はある。
悪いとこは全部直す。
勉強だってなるべく譲二に質問しないように
自分で頑張る。
とりあえず譲二が貸してくれた
テキストを今日中に終らせて
それを証明する。
ざっと100ページ以上あった。
その上次の日の講習の予習もしないといけない。
もちろん徹夜。
途中、声を押し殺して何度も泣いた。
朝
ケータイを見る。
日課。
譲二とのメール。
でも
もちろんメールは来ていない。
それでも
指が勝手に動く。
受信ボックス。
昨夜のメール。
返信。
「おはょ☆・・・何となくメールしてみたf^_^;
2時ってことは昼ご飯は食べてくるん??」
送信。
講習を休みたかった。
とても学校行く気にはなれなかった。
渋々、講習を受けたけど
先生の話は全然頭に入らなかった。
おかげでその後の小テストも
ボロボロ。
たぶん補習決定。
それでも少しも落ち込まなかった。
落ち込めなかった。
どうでもよかった。
ケータイを見る。
メールは来ていない。
シカト・・・まぁ、当たり前か・・・。
今日友達と交わした会話は
おはよう
バイバイ
テスト、ヤバイ
それだけ。
精一杯発した言葉。
精一杯感情を込めた言い方。
誰とも話したくなくて
休み時間は黙々と勉強。
またケータイを見た。
新着メール 1通
「今日、○○駅に1時。」
待ち合わせの時間変更
冷たいメール。
質問に答えていない。
定期入れから出した時刻表と
時計を見る。
12時半
予定通り
早めの到着。
これが誠意。
そして
気持ちが落ち着くための時間。
「改札で待ってるし↑↑」
しばらくして返事が来た。
「もうちょいかかる(笑)」
・・・・・・
『(笑)』
・・・・・・笑って・・・る?
急展開
機嫌良い?
それとも???
少し悩んだがとりあえず返信。
「わかった☆単語帳でもやっとく↑↑」
返事は無かった。
1時
時計を見る。
そろそろ・・・。
単語帳を見るが頭に入っていない。
徹夜明けで寝不足
暑さで貧血気味
気持ち悪くてめまいがする。
改札から次々と出て行く人影。
そして
一人、
こっちに近づいてくるのがわかった。
顔を上げられない。
目の前で立ち止まる。
顔を上げた。
譲二が笑っていた。
マズイ!!!
本気で怒ってる!?!?
つられて笑うが
顔が引きつった。
譲二が歩き出した。
慌ててついて行く。
「やっぱ無理やな」
譲二が笑いながら言う。
無理
このまま付き合っていくのは
無理・・・?
「別れんのは無理やわ(笑)」
はぁ!?!?!?!?
声が出ずに思わず心の中で言った。
「・・・っぇ???」
かろうじて出た声
「いや、なんか昼になってさ
もうすぐ心花に会えるって思ったらさ・・・ww」
しばらく声が出なかった。
人生最大の驚き。
「あ、コンビニでジュース買うか☆」
「・・・あのさぁ!!
昨日寝れへんかってんけど!?
ずっと泣いてて
ティッシュ2箱開けてんけど!?
譲二に借りたテキストも終らせてさぁ!!
もぉ!!」
正確にはティッシュ2箱じゃなくて
ポケットティッシュ2袋やけど。
「泣くな(笑)」
「もう泣けへんわ!!
目薬も10滴ぐらいさしてんから!!!」
ホントは1日2、3滴ぐらいしかしたら
あかんみたいやけど。
「もー、そんなこと言うんやったら
さっきのナシにするか?(-ε-)ムゥ」
「あ、う・・・いや・・・。」
「それにしても、もー、アレやな☆
これからは俺の言う通りやなww」
「はぁ?何言ってんの!」
「だって俺、神やし?w
お前は家畜や家畜!ww」
お前はSか!くそっ!Mのくせに!!
「は?人権侵害や!(笑)」
既に話題が変わっている。
さっきまで別れる別れないの話をしていたのに。
「あれやろ、カミってヘアーのことやろ?
ゴットじゃなくて!もしくはペーパー?(笑)」
「そうそうこの髪・・・ってなんでやねん!乗せるな(笑)」
「あははっww」
ったく、昨日の涙を返せ!
でも
ホントに良かった。
もう二度と抱きしめられないかと思った。