いつも私のブログにお越しいただき、優しいお言葉をかけてくださるブロ友さん(私が勝手にそう思っているだけかしら??)が、時々ご自身のブログで認知症のお母様に対して、「怒鳴って怒ってしまいます」と書かれます。私も経験者ですので、お気持ちが痛いほどわかります。

 

介護ブログをなさっていらっしゃるブロガーさんがある時OFF会を開催してくださいまして、参加させていただいた時に知り合った方、高校生の時にお母様が若年性認知症を発症して、ご自分の青春時代は全てお母様の介護に充てられたと仰っていましたが、その方からこんなアドバイスをいただきました。

 

「私も初めはイライラの連続で、毎日母を怒鳴りつけていました。でも、ある時を境にイライラしなくなり、怒鳴ることも無くなりました。ただ、そうなるまでに何年もの歳月を要し、その間は最悪の状況すら考えたこともありました。相当長い年月を必要としますが、イライラしなくなる時は必ず来ます。それまでは今のままで良いと思います。」

 

最初は「そういう時が来るだろう」という、心の余裕がありませんでした。母が亡くなるまでずっとこの状態が続くのだろうと思っていました。ところが、お世話返しを始めてから数年後、本当にその時が来ました。自分でも信じられないくらい気持ちが穏やかになって、怒鳴ることが無くなったのです。息子も事あるごとに母(息子から見たらおばあちゃん)を怒鳴っていましたが、その息子に「ばあちゃんのことあまり怒るなよ。」と言えるほど心に余裕が出てきました。やがて息子も何かを感じたと言いますか悟ったような感じで、いつしか怒鳴らなくなりました。

 

今思うと、イライラの原因は幾つかあったと思いますが、大きな原因は、今まで何でも出来ていた母が、何でもしてくれていた母が、何も出来なくなってしまった、何もしてくれなくなってしまった、今までの母と今の母のギャップがあまりにも大き過ぎて、自分自身が戸惑っていたのと同時に、そうなってしまった母を認めたくないという葛藤に押し潰されていたからだろうと思っています。

 

母にしてみれば、今まで何でも自分でしてきたのに、それが出来なくなってしまった自分に大きな不甲斐無さを、大きなストレスを感じていたことと思います。もはやそれを口に出して表現することも出来なくなっていて、本当に辛い時に息子と孫から毎日のように怒鳴りつけられて、辛かったと思います。でも、私は怒鳴ったことをあまり後悔してはいません。自分が穏やかな気持ちになることが出来てからしばらくして、それをしなければ自分の中にストレスがどんどん溜まっていって、自分が駄目になってしまっただろうなと思いましたから。

 

そのブロ友さんのお母様は私の母と比べてまだまだお元気です。大好きな塗り絵や、ブロ友さんとの会話もしっかり出来ていらっしゃる状況ですので、今の時点では怒って怒鳴りつけてしまうことも止むを得ないことだと思います。むしろ、ご自分を守るためにも言葉は悪いかもしれませんが”必要悪”だと思います。

 

お二人が健康で、良い親子関係が1日も長く続きますように、陰ながら祈り、応援するのみです。