ただいま、おかえり。 3 | S w e e t 

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主に名探偵コナンのノーマルカップリング(主に新蘭)を中心とした二次創作ブログです。
イラストや小説をひっそりと更新中。
気の合う方は気軽にコメント下さると嬉しいです。
※一部年齢指定作品も混ざっていますのでご注意ください。




東京に雪が降った。

それはきっと積もるようなモノではなくて。

人に、一時的な喜びを。
感動を。

そして、

寒さを与えるモノ。


地面に落ちてはフッと溶けてゆく。
その画に何となく淋しさを覚える私。


でも珍しいモノだから、何となく嬉しくて。

シンシンと舞い散る雪を見上げてしまう。



どうせいつか止まってしまうモノ。



それならば。




あの人と見たかった。







第3話







新一が捜査協力のために北海道へ行ったのは一昨日。

嫌になる。

新一と会ってない、
声を聞いていないのが、

辛くて仕方ない。

まだ、一日と半日しか経っていないのに。
少し前なんて、もっともっと長く会えない日々が続いていたのに。
我慢が出来ない。
どうしてだろう。
一体何が私の感情を変えてしまったの?


そんなの決まってる。

自分自身。

新一が帰ってきて私はとっても嫌な子になってしまった。

新一を誰とも話させたくない。
見せたくない。
渡したくない。
・・・・私だけ。


私だけが新一を独占したいの。


ねっ?

私・・・・嫌な子でしょう?



何度携帯電話を手にした事だろう。
何度あの名前を呼ぼうとした事だろう。


どれだけ私達は一緒に居過ぎたんだろう。


私達の間にこんなに長い思い出さえ存在しなければ今がこんなに苦しくない筈なのに。


こんなに短い時間さえもったいないと思ってしまう程、私はアナタを求めてしまう。



「毛利ーちょっと頼みたい事があるんだ、放課後俺んトコ来てくれ。」


担任からの突然の呼び出しに一体何事だろう、と職員室のドアをゆっくりと開いた。


「失礼します。」


担任を探して歩を進める。
先生がこちらに気付いて、私の名を呼んだ。


「おぉ、毛利悪いな急に。」

「いえ、私に頼み事って?」

「いやな・・・・・実は、工藤の事なんだよ。」

「え?」


言いにくそうに先生が口にしたのは新一の名。
何故か胸騒ぎがした。


「アイツ、今また捜査の協力で北海道行ってるんだろう?」

「そうみたいですけど・・・・。」

「俺としては工藤の活躍に期待してるから反対してるって事はないんだが・・・PTAの
方から苦情がきてるんだよ。」

「どういう事ですか?」

「どうして普通なら留年確実な程単位が足りない筈なのに、学校は彼だけ特別待遇にして
るのかってな。」

「それは、他の留年しそうな生徒に対して不公平じゃないかって事ですか?」

「まぁなぁ・・・やっと復帰したと思ったらまたこれだろう?いいかげんフォローするの
にも限界があってな。」


先生の口から聞かされた事はもっともな事だと思う。
そもそも学生というのは勉強する事が第一な訳だし。


「他にも色々あるんだ、工藤の存在は犯罪者にとっては厄介だし。それによって犯罪者か
ら他の生徒や学校にも被害が及ぶ可能性があるんじゃないかって話しもあってな。」


先生から聞かされる事実に悔しくなった。
当然の意見である事も分かる。
けれど、新一を厄介者みたいな見方で見てる人がいる事が悔しかった。


「それでな・・・・申し訳ないんだが毛利の口から卒業まで少し警察への捜査協力で学
校の内申書に響く事は控えろって言ってくれないか?」

「私からですか?」

「あぁ、俺に言われるより毛利に言われた方が聞こえもいいと思うんだ。」

「はぁ・・・・・。」

「頼まれてくれるか?」

「一応言うだけ言ってみます。」




なんてね。

言える訳ないよ。
だって、どんなに私の独占欲が強いといっても新一は私のモノなんかじゃないし。
何より、探偵として活躍する新一を見るのは一番好きだから。
探偵は彼の夢だから。


だから私にそれを真剣に辞めろなんて事は言えないよ。


言える訳ない。


けど、言わなきゃいけない時ってものがあるんだね・・・・。


何をためらっていたのだろう。







こんな私の甘さが彼にこんな辛い想いをさせる事になるなんて。

そして探偵っていうモノは何て恐ろしい職業なんだろう。



けれどね。
アナタはこんな事で夢を簡単に諦めてしまうような人じゃない。


そぐらい私は分かってるよ。


あの時の背中は大きくて、逞しくて私はアナタを愛しいと心から想ったのよ。


そしてどんなに素敵な芸能人だとしても、モテる人だとしても、そんなの目じゃない位カッコよかったの。



私は恋に恋して、アナタを想うわ。






新一が北海道へ行って5日。
彼は3、4日で解決して帰ってくるといったのに、未だ音沙汰なし。
また私の心の中は闇で支配されていく。


あの時私の涙が語った事が現実になる予感がして怖くて仕方ない。

せめて、連絡が欲しい。



そう思った矢先だった。

ずっとオトナシカッタ携帯電話が着信を私に知らせた。


被り付く様な勢いで携帯を手にとって通話ボタンを押した。




「・・・・蘭か?」




「・・・うん。」




本当に心からほっとした。


泣きそうなのを堪えて必死に言葉を返す。

気づかれてないよね?



コチラの様子は変わりないかとか、他愛のない話を少しすると新一が切り出した。



「わりぃけど、捜査が延びちまってもう少し掛かりそうなんだ。」



嫌だ・・・と思う自分、ヤッパリと思う自分。
とにかく複雑だった。

でも、この新一の言葉に返すのを許されている私の言葉は決まってる。



「そう。早く帰ってきなさいよ、新一学校休みすぎなんだから。内申点にも響くわよ!」


馬鹿みたい。


私が言いたいのはこんな事じゃない。
こんなの通りこして・・・・もっともっと伝えたくて、お願いしたい事があるのに。



「大丈夫だって! 直ぐ帰ってくっからよ。」



新一・・・違うんだよ。
私が言いたいのは、こんな事じゃないの。
私が欲しいのは、そんな言葉じゃないの。



アナタがずっと帰って来なかった少し前までも同じ事を繰り返してた。




電話を終えた後、消えるように呟くの。


いつも。
いつも。




「・・・・会いたいよ。」




アナタから電話を切ってくれるのを待って。


その後耳に響く電子音。


悲しくなると分かっているくせに。


その音を聞くまでは絶対に口に出来ないの。




『大丈夫』




またアナタは言うのね。


ねぇ、後どの位私はソノ台詞を耳にしては、頬を濡らすのでしょう。



こんな私でごめんなさい。


自意識過剰と言われても、きっと私は自分から言えない。



アナタから待つ事しか出来ない。



新一、今アナタは何をしているの?
何を想っているの?



誰を・・・・・




想っているの?





04 >>






:::あとがき


ううーーーん。

やっぱり自分の話になると・・・痛い。

なんでこう、色々ぐちゃぐちゃしてるんだろう。

なんだか無理しててわかりづらくなっちゃってるんですよね。


んんー・・・・・



ゆーりさま・・・申し訳ないです。


2010.11.28 kako




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