ただいま、おかえり。 2 | S w e e t 

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主に名探偵コナンのノーマルカップリング(主に新蘭)を中心とした二次創作ブログです。
イラストや小説をひっそりと更新中。
気の合う方は気軽にコメント下さると嬉しいです。
※一部年齢指定作品も混ざっていますのでご注意ください。




「本当は、蘭が思っているよりずっと、卑怯で我侭なんですよ・・・俺」




そう言った工藤君は、誰よりも普通の高校生だと思った。




第2話




極寒の北海道。

ことの始まりは、4日前の連続誘拐事件。

東京で起こったその事件の犯人が北へ北へ逃亡。

現在北海道へ逃げたとの情報を得て、北海道の警察と合同捜査本部を立てて犯人を追っているのだ。

目暮警部からの命令で千葉刑事と共にこの冬の北海道へと足を踏み入れた。




「さ、さッみぃーーーーー!!!!!」




除雪車が中々来れないような細い道の奥に1件、2件と数少ない民家しかないためか

雪も積りに積もって、足は簡単に埋まってしまうほどの道を掻き分けながら歩く。

「これじゃぁ、捜査が進まないのも納得というか。」

「それ、言ったらお終いですよ、高木刑事。宿、こっちですか?」

そうだと答え、真っ白に広がる雪の本当に先を指差す。

この土地に1件しかない旅館らしい。

その土地には派出所しかないのか、わざわざ4、5時間かけて警察の本部の方たちが

この旅館に泊まっているのだという。

「ココじゃ車も中々通れないし・・・犯人がいるなら直ぐわかりそうですけどね・・・」

冷たい雪の中を掻き分けながら、高校生探偵・工藤新一が推理を始める。

確かに。

当初、誘拐に使っていた車は福島の山中に放置されていたのが発見されたので、

そこから新幹線なり、飛行機なり使って移動したのだと考えられているが、

この奥地まで来るには、バスも通っていないし車を使わなければ移動は無理なのだ。

「ヘリでも使ったっていうなら別だけどねー」

と冗談ぽく笑った千葉を軽く無視して高木・工藤はドンドンその雪の中を進む。

捜査1日目。

この日、僕も工藤君も気づいていなかったんだ。

既に次の事件が起きていたことに・・・。









捜査開始から5日。事件は難航していた。

高木刑事は旅館の自販機の前に立ち、種類のそろった缶の中か熱いコーヒーを2つ選んだ。

1つは自分に。もう一つは千葉に。

今さっき雪の中を捜査して戻ってきたところだった。

冷たい手にはその温かいコーヒーが丁度いい。

報告をするからと先に部屋に戻った千葉の分のコーヒーを抱え部屋へと戻る途中、

その姿を見つけた。

ふぅっとため息をつきながら、持っていた受話器を元に戻すと彼は近くのソファーに腰掛けた。

ふと、その顔が酷く弱っているように見えて、思わず声を掛けてしまったのだ。



「おつかれ、工藤君。」




そう言って、先ほど買ってきた缶コーヒーを1つ、手渡す。

千葉へはまた買っていけば済む話だ。

「高木刑事」

と、彼がきょとんとした顔で見上げたので、少し笑って

「となり、いいかな?」

と声をかけて座る。

工藤君はお礼を言うとそれを一口飲んで一息つく。

「電話。蘭さんにかな?」

そう言うと、苦笑いして彼は微笑んだ。

帰りが遅くなる

それを伝える相手は、きっと一人しかいない。

両親は確かまだ外国を飛び回っていると言っていたし。





「ごめん。」

捜査は難航していた。

「いえ。残りたいと言ったのは俺の方ですから。」

そう、約束は5日だった。

工藤君もまだ学生だからそんなに長く協して貰うわけにはと

言う事で5日間という約束で北海道まで来て貰っていたのだ。

だが、事件はいまだ解決していない。

「この事件が解決するまで帰れません。」

そう言った工藤君の目は本当に高校生かと疑うほど強い目をしていて。

事件は捜査1日目で起こった。

連続誘拐事件で誘拐された被害者は今までに3人。

そのうち2人は無事に戻ったのだが、3人目の被害者が遺体となって翌日発見されたのだ。

場所は東京。

しかし殺害現場は北海道の可能性が極めて高いとのこと。

東京は目暮警部や佐藤刑事が捜査しているから僕達は北海道の方で引き続き捜査を。

そう2日目に電話が入ったのだった。

しかし、雪の所為か何か決定的な証拠も、犯人の足跡も掴めない。

「・・・でも心配したんじゃない? 工藤君も早く会いたいだろ?」

「そうですね、心配してましたよ。内申書とか」

そう言って笑ったかと思うとふと、曇ったように笑った。

「・・・正直。ほっとしているんです。」

その言葉に違和感を感じて、その先を促す。

「・・・蘭に帰ったら言うって決めてることがあるんです。でも・・・」

「でも?」







「まだ、決心がつかなくて。」




そう言う工藤君は本当にただの高校生だった。

東の名探偵、日本警察の救世主なんて言われてる彼ではなくて。





「きっと、待ってると思うよ。工藤君からの言葉を」

そう笑って、勇気付けようとして彼に声をかける。

両思いなのは誰が見ても明白だ。






すると、工藤君は自嘲気味笑った。

「俺、蘭が思っているよりずっと卑怯で我侭なんですよ」



「え?」



「蘭は、きっと うん って言ってくれると思うんです。」

「だったら・・・」



だったら何をそんなに迷う必要があるんだろう。



「でも俺と蘭の スキ は違うから・・・」



「それって・・・」










ガチャ。

扉が開いて、今目の前にいる千葉が、

「熱でも出たのか?顔赤いぞ」


と言うので、ただ渇いた笑いを挙げて。

「やっぱり工藤君はただの高校生じゃ無かったよ」

と言うと千葉は不思議そうに首をかしげた。

早く、その続きを彼女に聞かせたい。







03 >>




:::コメント


こちらはゆーりさまによる作品です。

素晴らしいです。

なんていうか本当に自然に筋道がたっているというか・・

まとまっていらっしゃる。

捜査についての書き方もきちんとしていて・・・

kakoにはああいうのかけないのでほとんどゆーりさんにお任せしました(なんてやつ。

でもゆーりさまのおかげでこの作品は本当に濃いものになったと思われます。



次のゆーりさまのだい4話もお楽しみに!!

次は私です。すみません。




2010.11.28 kako




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