月曜日なのに、
くらい話でごめんなさい。
このブログでも、
何度も書いている
わたしの大好きで、大尊敬していて、
一生の目標としている
紅茶研究家
磯淵猛先生
が、
去る２月２１日、
急逝されました。
ご病気ではなく、
事故。
だれもが、
「まさか」
と思いました。
当初は、
「デマかもしれない」
とさえ、
言われました。
２月２１日。
先生が、
ご出張先の高松で倒れられ、
還らぬひととなった日、
わたしは、
しあわせな時間を過ごしていました。
１２名ものお客様がお申し込みくださった
チョコレート＆ミルクティーパーティー。
残念ながら、
ご病気欠席が２名でしたが、
「はじめまして」のメンバー、
（Nさん、Yさん、ありがとうございます＾＾）
なかなかお会いできなかった方、
月になんどもお運びいただいている方、
会いたかった人々が
会いに来てくれた・・・
という
しあわせと感謝の気持ち
に包まれていました。
いつまでもやまない
笑い声と弾むようなおしゃべり。
「この仕事をしてきて、よかった。
一生つづけよう。」
紅茶は、飲む人口が減ってゆく、
とも危惧されるなか、
普及活動は簡単ではないけれど、
一生をかけて
取り組もうと、
決意を固くしていた時でありました。
携帯電話のLINE（ライン）画面に、
思いもよらない一文が浮かび上がりました。
「磯淵先生のこと、残念でした」
しばらくお会いしていなかった
紅茶関連会社のオーナーさんからでした。
磯淵先生、は、
わたしの紅茶の先生であります。
日本を代表する紅茶研究家で、
出版も何十とされ、海外にも翻訳されるほど。
キリン・午後の紅茶のプロデューサー
を２０年以上されてきた
実績だけでなく、
類まれなる人望をお持ちの、
ほんとうに神様のような方。
いま思うと、
不思議でたまらないのですが・・・
「残念でした」
という一文を見た、その一瞬。
なぜなのか、わたしは、
「先生が亡くなられたのだ」
と即理解した。
残念、
としか、書かれていないのに。
「確かめなくては」
思い当たる友人に電話をかける。
・・・「何も聞いていない」という。
先生の奥さん（わたしの友人でもある）にLINEをする。
・・・すぐには、レスが来ない。
待てない。
待てない。
待てない！
わたしの直感が、
今回の嫌な直感が、外れてほしい。
「ひどいデマでしたね！」
と言えるはず。
すぐに、
先生の藤沢にあるお店に電話をすることを思いつく。
なんと・・・
すぐに、お店のどなたかが電話を取ってくださった。
「金澤と申します。」
と言いながら・・・
愚かしいことに、
なんと言うかを考えていない自分に気づく。
まさか、
「先生が亡くなったなんて噂、嘘ですよね」
なんて聞けるわけない。
こんな言葉が口を衝いて出た。
「あ、すみません・・・
先生、いらっしゃいますでしょうか？」
＜そう、
先生は生きていらっしゃるのだから！＞
自分を奮い立たせて。
すると、
「あの・・・金澤優子さんですね？」
電話の相手は、
店長のHさんだった。
そして、
そこで、
わたしのざわめきに
終止符が打たれた。
聞きたくなかった。
決定的な言葉。
こうして文字で
書くのも、見るのも、
きつい
亡くなりました
Hさんが、
事の経緯を話しだすそばから、
心拍数は急速にあがってゆき、
声にならない叫びが、とび出しそうになるのを
噛みころし、
手の甲は、あっという間に濡れていった。
「大人として最低限、
きちんとご挨拶はしなくては」
精一杯、気丈にふるまって、
でも、息が切れてうまく話せないまま、
電話を切った。
（毎日のように一緒にいらしたスタッフさんたちは、
どれほど辛いだろう・・・。
イチ生徒にすぎないわたしが
取り乱して、ほんとうに申し訳なかった。）
それからは、
ずっと・・・
嘘だ、
信じられない、
絶対嘘だ、
どうしよう、
四六時中、頭をかけめぐる。
同時に、
先生の奥さんである友人の
細い細い肩を思い浮かべる。
あんなにしあわせそうだったのに・・・
去年引っ越して、すごく快適、と喜んでいたのに・・・
テニスが大好きな先生と一緒にプレイするために、
テニススクールに通い始めたのに・・・
二人にとっての、これからのたくさんありすぎる夢が
絶たれた。
なんで、こんなことに。
なんで、こんな目に。
ひどすぎる！
「大事な人と
いつまでも一緒にいる」
ことは、あたりまえじゃない。
よくきく言葉だけれど、
これほど
身に沁みたことはない、と思う。
本当にほんとうに大好きだった先生。
ただのひとつも疑ったことがなかった。
とことん与えてもらった。
去年の１２月、最後に会った時、
別れる前に、
「いい先生になれよ〜！！」
「絶対応援しているから。いつでもおいで。」
力強く言ってくださり、握手をしてくれた先生。
先生に
「頑張ったね」
と言ってもらいたくて、
それからもずっと走っています。
先生に、
いつか褒めてもらいたくて、
いつか頼ってもらいたくて、
一生、紅茶の仕事をしてゆこうと思っていたのに、
わたしは
誰に報告すればいいのですか？
先生がいなくなったことは、
わたしにどんな試練があるのですか？
もっと会いに行けばよかった。
もっとお話を聞きたかった。
先生に
お返しをしていなかった・・・
「いつか、
うちの教室にもゲストとして来てくださいね」
という夢も・・・
後悔がありすぎて、
情けないです。
でも今、
まさに、今書いていて、
浮かびました。
できることは、
先生からいただいたものを、
できるだけ多くのひとに届けること。
これからも、
わたしは、磯淵先生から受け継いだ話を
し続けていきます。
最後までお読みいただき、
本当に本当に
ありがとうございました。
金澤優子
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