昨日見た「名月八幡祭」は、
文化4年に起こった永代橋の崩落事故という史実を取り込んでいます。

なので、このお芝居を観ると必ず、
杉本苑子さんの『永代橋崩落』を読みたくなってしまいます。

永代橋崩落 (中公文庫) 杉本 苑子

今日、移動の電車で一気読みしちゃいました。


老朽化して修繕できなくなっている橋に
十数年ぶりの富岡八幡宮での大祭と、どっと人が押し寄せ
しかも、ただ普通に通行するなら崩落に至らなかったかもしれないところを
橋下を船で渡る一橋ご一行様のために、奉行所の判断で通行止めに。
しかも、予定の通過時刻を遅れに遅れる一橋様…。もう!

通行解禁になるや、たまりにたまった人が一気に橋になだれ込み
人の重みに耐えきれず崩落…。
死者は1500人余りに及んだとのことです。

この史実そのものについては、こちらの記事に詳しいです。
http://ginjo.fc2web.com/021eitaibasi/eitaibasi.htm

杉本苑子さんの小説は、
その崩落事故と、市井の人々の生活(フィクション)とを交錯させ、
この一瞬という時に人が見せる本性のようなものを描き出します。

永代橋崩落にまつわる8編の短編集で、
この本性によるどんでん返しが面白くて、あっという間に読めてしまいます。


横溝正史の『夢の浮橋』も永代橋崩落事故にまつわる小説らしい。

メモ:「夏しぐれ」(角川文庫)に所収。


そういえば、去年の7月末に、初めて富岡八幡宮に詣でたのでした。
お腹がめちゃくちゃ痛かった頃。

何をしてても、去年の腹痛につながってしまいますガーン


今元気でいられることに感謝!