週の間にたまった2通の不在配達票を手に一日が始まる。


一日の予定を変えたくないのなら、24時間受け付けている

ゆうゆう窓口へ行けばいいのだが、

ぼんやりと待ってみたくて、
正午から14時の再配達希望の電話を入れる。


森茉莉の『貧乏サヴァラン』を選んで、再びベッドにもぐりこむ。


どの頁を開いても美味しそう。


「支那風のフルウツ・ポンチに浮かんでいた、白くて小さな、三角の、牛乳の茶碗蒸しのようなもの」

ホット・チョコレイトが飲みたくなってくるが
あくまでもイメージでとどめておくのがこの本を読むにはふさわしい。
貴族の精神。


昨日見た、凍った花の花びらがパリパリと砕けて行くような光景は
もうこれで幾度目なのかとうんざりする思いだったけれども

この何も持たないことがある人との交信を可能にしているのかもしれないと

貴族の精神で満たされた部屋の中ではそう思えた。


今日わたしに声を掛けてくれたみんなに、ありがとう。



郵便やさんが来た。