こんにちはニコニコ

裁判員の体験談を綴っております、ののと申しますチューリップ


さて前回、私は
裁判員6人のうちの1人
に選ばれましたが、そのほかに
補充裁判員2人
も選出されるという話をさせて頂きました。


今回は、
「それってどう違うの?補充って何するの?」
というお話ですニコニコ







  補充裁判員とは


基本的には「補充」という言葉通り、
裁判員に欠員が出た場合、補充の人が裁判員に繰り上げられます。

じゃあ欠員が出るまでは特に出番がないのかというと全くそんなことはなく、
以下の4点以外は裁判員と同じように行動します。


  ①法廷での座り位置


裁判や法廷の構造によって多少異なりますが、刑事裁判では主に下記のような構図になっています。

※裁判官の前の方は裁判所職員(事務官・書記官)です。
※被告人は発言する時以外は弁護人の隣か後方に座っています。

裁判員6人は裁判官3人(中央が裁判長)の横に3人ずつ座りますが、
補充裁判員はその後方にポツンと座ります。

裁判員らの机には資料などが映し出されるモニターが置かれており、それは補充裁判員の所にも置いてあります(机は裁判員らの所より簡易的ですが)。

また、裁判中に証拠品などが回ってくることがあるのですが、それも補充裁判員にも回ってきます。


  ②法廷での発言権


被告人や証人に対し、検察や弁護人が質問をするほかに「裁判所からの質問」というターンがあります。
ここでは裁判官と共に、裁判員も手元のマイクを使って質問を行うことが出来ます。

しかし補充裁判員には手元にマイクはありません。彼らにはこの場で発言する権限が無いのです。

なので、もし補充裁判員の人が質問したい事がある場合は、
予め裁判官に伝えておいて質問してもらうか、裁判中に紙に書いて裁判官に回してくださいと言われていました。


  ③評議での多数決


裁判官・裁判員・補充裁判員の合計11人は、法廷での情報をもとに評議という話し合いを行います。
話し合いの末、最後に有罪か無罪か、有罪の場合はどういう量刑かが結論付けられるのですが、この決定は多数決で行われます。

補充裁判員は、評議にはバリバリ参加できますが、この最後の多数決には参加できません。

とはいえ、多数決に至るまでの長い長い話し合いの中では補充裁判員も自由に発言できますので、自分の思いが反映されないという事ではありません。思っていることは話し合いの中で残さず主張していきましょうニコ


  ④判決言い渡しの時の座り位置


法廷で補充裁判員は裁判員らの後方に座ると前述しましたが、最後の判決言い渡しの裁判の時だけは例外です。

この時は補充裁判員は傍聴席(または検察官の後ろという場合も)にいるよう伝えられます。

なぜ最後だけ…という気もしますが、判決を下した者だけが被告人と対峙するようにしているんですかねうーん??


  実際「補充」はあるのか?


以上4点が裁判員と補充裁判員との主な違いです。
逆に言えばそれ以外同じなので、
・裁判をしっかり見聞きする
・評議で意見交換をする
という裁判員のメイン任務(?)に関しては、同じ熱量をもって臨まないといけません。

言葉上では「補充」の方が何となく気楽そうですが、しっかり参加していないといざという時裁判員と交代できませんもんねキョロキョロ


で、その交代ですが…
「実際あるのかな?」
「そうは言っても滅多に無いんじゃ?」
と思われている方もいるかもしれませんね。

しかし私が傍聴した裁判で、
裁判員2人が辞退
   ↓
補充裁判員2人とも裁判員に繰り上げ

というパターンがありました。
(何故そうなったかは分かりませんが…)

特に長期間にわたる裁判の場合、途中で来られなくなる人が出るケースもありそうに思うので、補充裁判員から裁判員になる可能性は充分あり得ると思っておいた方が良いのではないでしょうか。



さて、次回はいよいよ裁判員任務初日・初公判の日の体験記を書いていきます。
ここまでお読み下さりありがとうございましたニコニコ
よければまた見にいらしてくださいねガーベラ