ルトーノーがこの世を去った。
彼女はある事件によって超有名になった元教師だ。
「あるスキャンダルについての覚え書き」というケイト・ブランシェット主演の映画がある。
実際に1996年にアメリカで起きた事件がモデルになっている。
メアリー・ルトーノーという元小学校教諭が今年(2020年)ガンで亡くなった。享年58。
彼女は1996年小学校6年生だった教え子と不倫、妊娠。
児童レイプ罪で逮捕された。
1998年に仮出所するも、直後に再度同じ少年と性交し妊娠、収監された。
最終的に出所してからその男と結婚したが、離婚して闘病生活をしていた。
このルトーノー事件をきっかけに、アメリカの多くの州の学校では
教師と生徒が二人きりになることを禁じたという。
「教師」と「生徒」で、「成人」と「未成年」。
しかも家庭がある女性と10代前半の子どもだ。
当然、当時34歳だった教育者のルトーノーが思いを寄せてきた男児を制すべきだったし、
もっと言えば退職や引越しをしてでも歯止めをかけねばならなかった。
だが彼らの恋心は止められず、しかもプラトニックを貫けなかった。
教師と生徒が恋愛関係(不倫含め)になることは珍しくはないが、少年がまだ小学生で、ルトーノーに夫と子供がいたこと、そして彼らが二人の子を成したこと、出所後に結婚したことが話題となった。
真のラブストーリーと神聖化されたり、
通過儀礼と言われたり、
ただのショタコンの犯罪と言われたり。
私見では、以下の事実から、彼女は抑圧された環境や秘めていたストレスから、生徒との営みで解放され、ハマってしまったのではないかと思ってしまった。
「ルトーノーの父親は、カリフォルニア州オレンジ郡の下院および州議会の共和党員で、1972年の大統領選に立候補した政治家だった。彼女の2人の兄も国防総省の元査察官とブッシュ(父)大統領補佐官で、ルトーノーは政治家一家で育ったという。」
教師という立場、親子ほどの年の離れた生徒との性愛。
自分の人生で訪れるとは思いもしなかったか、妄想していたか
分からないが、それによる陶酔、夢中、恋であろうという思い込みか。
なんであれ、男女逆であればどうだっただろうか。
何を愛と感じるか、恋と思うかは人それぞれで、真実は分からない。
社会が、断罪した彼女の行為は
7年かけて償われることになったが、
レイプではなくてもレイプにされたし、
結局はスケープゴートまたは服役中に離婚した夫への贖罪だったのかもしれない。
最初の夫との間に誕生した子どもたちに罪はないが。
夫はどんな人だったのか。
どちらが誘惑したとかは問題ではなく、
人間の心など、本人ですら分からないもので
未来も分からない。
誰が狂っていて、誰が正常か。
そんなことは本当は誰にも知ることはできない。
その時の時代・社会が決めつけるのだ。